[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国民教育・高等教育・研究省(MENESR)
元記事公開日:
2016/09/13
抄訳記事公開日:
2016/11/21

フランスにおける研究雇用:その現状と展望

Publication de l'édition 2016 de l'état de l'emploi scientifique en France

本文:

国民教育・高等教育・研究省の2016年9月13日付標記報道発表によると、同省はこのほど2年ごとに発行される統計資料である「フランスにおける研究雇用の現状」2016年版を公表した。概要は以下のとおり。

「フランスにおける研究雇用の現状」は研究を専門とする人的資源(教職、研究者、博士課程院生、研究支援要員)の現状分析を行ったものである。研究機関及び高等教育施設で実施される研究のほか企業で実施される研究も分析対象として網羅している。本資料では、研究雇用の対象となる要員の様々な領域の活動を明らかにすることのできる調査・統計資料を1つの文書としてまとめている。

2016年版で注目すべき内容

・2013年の研究者数は266,000人で、世界8位。労働人口1,000人当たりの研究者数は9.8人で世界9位。
・特に科学分野ではフランスにおける外国人博士課程在籍者数が増加しており、2010~2014年次の平均で博士課程在籍者数の42%(2004年次は33%であった)を占める。
・2000~20013年の間の研究に従事する実員数の伸びは目覚ましく、フランスの国際的地位の維持を可能にしている。つまりフランスにおける研究雇用は31%伸びており、年平均+2.1%である。特に研究者の実員数が55%伸びており、これは年平均3.4%の伸びになる。それにもかかわらず2014年のフランスの研究雇用は量的に安定している。
・構造的には、企業が研究雇用の60%を占めており基盤的科学・工学の研究領域に集中している。一方で公的研究はより多様化しており、人文社会科学に対する取り組みもなされている。この傾向は大学で特に顕著である。
・現職の研究者の退職年齢はだんだん遅くなっており、退職者の数も2008年以降減少傾向にある。最近のこの傾向は、特に公共高等教育などで研究者の新規採用減(2009~2014年の間で-27%)を招いている。2018年以降は退職者数が上昇するものと期待されている。
・2009~2014年の5年間に博士課程在籍学生数は減少(-13%)している。この傾向は実際、物理学、生物学、医療分野を除く全科学領域に及んでいる。それでも各世代の博士号取得者の失業率はここ10年来改善の方向に向かっている。

[DW編集局+JSTパリ事務所]