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国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2016/10/10
抄訳記事公開日:
2016/11/24

研究を通じ欧州は共に成長する

In der Forschung wächst Europa weiter zusammen

本文:

連邦教育研究省(BMBF)は将来の欧州における研究協力の在り方を検証するバランスシート会議を開催することとし、これに関して概略下記のような報道発表を行った。

BMBFは研究のバランスシートを検証する会議を開き、科学協力に関する欧州の未来についての議論をスタートさせる。会議の開催を宣言するのはヴァンカ連邦教育研究大臣とカルロス・モエダス研究科学イノベーション担当欧州委員。

欧州研究領域(ERA)は2009年に、科学的交流、協力、共同研究を容易にするためリスボン協定の第一目標として考えられたものであり、既に大部分が実現されたものとされている。しかしながら科学分野のデジタル化、世界的な人口移動、政治的な変革、さらにはグローバルな競争の激化に伴い、新たな対処すべき重要課題に直面している。

ヴァンカ大臣は「かつてないほど、統合された欧州を必要としており、研究ほど密接な協力が行われている政治分野は他にない。研究およびイノベーションにおける欧州の成果の大部分は欧州共同体のプロジェクトそして知識とコンペテンスの交流に起因する。あらゆる領域に起きる大きな変化を理解し、より有効に克服するためには、これ以外に知識を獲得し、科学的な進歩を生み出す方法はない」と語った。

ベルリンにおける議論は600人以上の国際色豊かな専門家参加を得、世界的規模の研究・イノベーション振興プログラムであるHorizont2020の後継プログラムの方向づけに関するドイツの立ち位置そして欧州研究領域(ERA)の未来を定める第一の基礎となるべきものである。

議論の中心テーマは“open science“を標語とするデジタル化である。BMBFは「Open Access 戦略」を提示し、科学的データおよび成果の交換を簡素化しようとしている。この戦略は計画中の「欧州クラウド」と共に知識へのアクセスおよび科学協力を欧州レベルで推進するための有効な基盤を形成するものである。さらなるテーマとして、加盟国の共同プログラムが挙げられる。多くの加盟国は国の研究プログラムを結束させて、認知症、人口変動、海洋研究等の欧州の中心的テーマに共同で公募することを狙いとする。これらを整備し、効果的に組織化すべきである。

会議ではドイツ連邦政府が2年前に提示した、欧州研究領域(ERA)に関する戦略の結果についてもバランスシートを発表。欧州の研究は、国レベルの研究が強ければ、強くなる。ドイツは近年エクセレンス・イニシアチブやハイテク戦略といった措置に多くの資金を投資し、国の研究基盤の強化に努めてきた。ドイツは大部分のEU研究コンソーシアムの先頭に立ち、また多くのEUプロジェクトに参加してきた。同じくドイツは常に基礎研究を振興する欧州研究評議会の研究奨学金への参画に有効に対応するなど、欧州レベルで成果を出している。

尚、この会議には中欧から東欧にかけての研究機構の管理部門の若手人材を育成する、BMBFの新「ERA-Fellowshipプログラム」の奨学生30名も参加している。奨学生は数週間の滞在中に、ドイツの研究機構および大学のサイエンス・マネジメントについて学ぶことになる。

[DW編集局]