[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
エネルギー省(DOE)
元記事公開日:
2016/09/28
抄訳記事公開日:
2016/12/02

クリーン・エネルギー技術のコスト削減と迅速な展開に関する報告

Secretary Moniz Releases Report Showing the Cost Reductions and Rapid Deployment of Clean Energy Technologies

本文:

2016年9月28日付の米エネルギー省(DOE)の標記発表の概要は以下のとおりである。

DOEはこのほど、5つのクリーン・エネルギー技術(風力タービン、実用規模・分散型両方の太陽光発電(PV)に必要なソーラー技術、電気自動車(EV)、発光ダイオード(LED))の展開促進に焦点を当てた新規報告書を発表した。

報告書”Revolution-Now”は毎年更新され、米国におけるクリーン・エネルギー技術のコスト削減と展開の拡大について記述している。世界は引き続き低炭素経済に向けて進行しているので、今回発表された2016年版は昨年版を基礎としており、上記展開の拡大により米国がすでに実現しつつある経済・環境上の利益について詳述している。

5つのクリーン・エネルギー技術の研究・発展に対するDOEの継続的な投資は、2008年以降40%~94%の価格低下に貢献している。報告書は米国のクリーン・エネルギー展開に注目し、その劇的な拡大について詳述している。具体的には次のような記述がある。

・陸上風力は2015年に取り込まれた新規発電量全体の41%を占めた。全般的に風力は1,700万世帯以上の電力を賄うに十分な発電を行った。
・実用規模のソーラーPVは2015年に新規設置された発電能力全体の15%を占めた。実用規模PV全体で200万世帯以上の電力を賄うに十分な発電を行った。
・分散型ソーラーPVは、2008年以降全般的なコストを54%削減して、家庭や企業での屋上設置が100万件に達した。
・風力とソーラー合わせて、米国で新規設置された発電能力全体の3分の2を占める。
・LED Aタイプ電球の設置件数は2015年中に2億件を超え、2014年比で160%の伸びである。
・電気自動車(EV)の総売り上げ台数は50万台に迫る勢いで、2016年8月時点での路上走行台数は49万台である。

ソーラー電力は2014年に1,700万メートルトンのCO2を節減しているが、これによる水の消費量削減や大気汚染の減少は環境上の節減額で約7億ドルに相当する。LEDのエネルギー使用量は白熱球より85%小さく、予測によればLED設置数の増加で今から2035年までの間に米国のエネルギー節減額は6,300億ドルに達する可能性がある。

急速に成長する上記5つの技術に加えて、報告書では4つの新技術(燃料電池、電力網接続バッテリー、エネルギー管理システム、大規模付加製造技術:3Dプリンティング)についても議論している。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]