[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2016/11/08
抄訳記事公開日:
2016/12/21

スマート歩行器と自給自足型エネルギー供給

Erfolg mit intelligentem Rollator und autarker Energieversorgung

本文:

第15回Invent a Chip-生徒を対象とするコンペティション-に関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

太陽光で家庭で利用する電力を自給自足する、家の鍵を忘れるとアラームが鳴る、スマート歩行器が転倒を避け障害物を回避して進む、盗難警報チップがセキュリティを向上させる。これらは若者たちによる新しいマイクロチップに関する革新的なアイデアであり、専門家をも魅了するものだ。BMBFとVDE(ドイツ電気技術者協会)は第15回目のInvent a Chipを開催する。今回も多くの創造的なプロジェクトが参加している。

過去15年間に総計25,000人もの若者たちがチップに関する6,500のアイデアを持ってInvent a Chip コンペティションに参加した。ヴァンカ大臣は「Invent a Chipにおいて生徒たちは電子回路だけでなく、産業応用まで考えている。若者たちは自分たちのアイデアを一歩一歩実行に移しており、そのために新しいプログラミングを学び、チームとして協力し、新しい技術に全く気後れしない。このことは、ドイツの生徒たちがデジタルな発明への才を持っていることを示している。ドイツはデジタル時代を迎え、こうした研究者と人材を頼りとしている」。Invent a Chip はこの15年間多くの生徒たちの技術的な訓練職業又は理数系の大学課程への関心を喚起してきた。

今年は優勝(賞金3,000ユーロ)者を二組選出した。優勝者たちはマンハイムにおけるVDE会議で自分たちのマイクロチップを発表した。一つは、一般の電力網に依存せず、マイクロチップを用いて家庭で使うエネルギーを自給するアイデア。もう一つはKeySafeというチップで、カギを忘れて締め出されることを回避するためのもので、家を出る際に家の鍵を忘れていないか警告するというものである。

賞金2,000ユーロのBMBF大臣特別賞は、スマート歩行器の開発に与えられた。障害物を認識し、位置を把握でき、緊急時対応の機能を有している歩行器で。歩行器が倒れ、利用者が転倒すると、転倒アラームが鳴る。

同じく賞金2,000ユーロの第二位は侵入警告チップの開発に対するもので、8つの窓まで対応できる。利用者はコードでアラームを遠隔操作し、過去のアラームも確認できる。一連の操作システムは非常に複雑なシステムになっている。

賞金1.000ユーロの第三位は、赤ちゃん見守り装置の開発である。赤ん坊が動いたり、ばたばたしたりするとベッドが軽く揺り動かされ、子守歌が鳴り出す。子供がそれでも静かにならなければ、アームベルトが振動し、両親に伝えられる。乳児から目を離すことができない親には朗報だ。

受賞者たちは、ハノーバー大学における実践ワークショップでチップ・デザインについて学ぶ機会が与えられた。ワークショップは多くの参考となる知識をもたらし、技術的な側面のみならず、プロジェクトのプランニングおよび実行についても学ぶことができたと参加者は話している。受賞者たちには、今後、産業界および大学との連携のチャンスや、見本市で自分たちのプロジェクトをプレゼンテーションする機会が与えられる。また特に優秀な生徒たちに与えられる奨学金であるStudienstiftung des deutschen Volkesの選考対象となる。過去15年間の参加者の多くはその後産業界やアカデミアでマイクロエレクトロニクス関連のキャリアを重ねている。

[DW編集局]