[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
研究・イノベーション総局
元記事公開日:
2016/12/22
抄訳記事公開日:
2017/02/09

スイスがEUとの研究・イノベーション協力を強化

Switzerland steps up research and innovation cooperation with the EU

本文:

2016年12月22日付の欧州委員会(EC)研究・イノベーション総局による標記に関する発表記事の概要は以下の通りである。

スイスの研究者と組織は、今後、欧州連合(EU)の研究・イノベーション助成プログラムである“Horizon 2020”に、EU加盟国やその他の関連諸国の団体と同等の条件で参加することができる。これは、2017年1月1日にスイスが“Horizon 2020”の完全な準加盟国として参加することが決まったからである。スイスは今まで“Horizon 2020”の一部に対してしか準加盟国として参加していなかった。

この変更は、2016年12月に、スイスとEU間の人の自由な移動に関する協定をクロアチアにまで広げることに関する議定書に批准したことにより実現した。これは、スイスが“Horizon 2020”のすべてのプログラムに対して準加盟国として参加するための条件であった。

カルロス・モエダス研究・科学・イノベーション担当委員は、「スイスは現在、人々の自由な移動に関するEUの条件を満たしており、Horizon 2020の全体に対して参加することができる。スイスにとってもEUにとっても良いニュースである。このことはEUおよびスイスの科学コミュニティを強化し、研究・イノベーションにおける実質的な協力をさらに推進することになるだろう」と述べた。

EUとスイスの研究、科学、イノベーションにおける連携には長い歴史があり、スイスの研究者や組織は、歴代の研究開発枠組みプログラムに極めて積極的に参加してきた。

スイスは、2014年12月15日から2016年12月31日まで、“Horizon 2020”の一部に対して参加した。その活動は、”卓越した科学(Excellent Science)”という柱の下でなされたもので、欧州研究会議(ERC)、未来萌芽技術(FET)、研究インフラ、マリー・スクウォドフスカ・キュリー・アクションズ(Marie Skłodowska-Curie actions)等の活動を含んでいる。また、欧州原子力共同体(Euratom)の研究・トレーニングプログラムおよび国際熱核融合実験炉プロジェクト(ITER)のための欧州共同プロジェクト、さらに2014-2020年のエネルギーのための核融合開発の活動にも参加していた。

部分的な参加ではあったが、スイスの“Horizon 2020”への参加は活発であった。これまでに、スイスから1,001件のプロジェクトに対して1,333名の研究者が参加した。参加数において準加盟国の間では首位にランクする。

今後スイスは、“Horizon 2020”を補完するEuratom プログラム(2014-2018)やITER(2020年12月31日まで)に対しても、準加盟国として全面的に参加していく。

[DW編集局]