[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2017/01/19
抄訳記事公開日:
2017/03/01

エネルギー省長官に指名されたリック・ペリー氏、気候問題に関する見解を変更

Nominee Perry Defends Energy Department, Changes View on Climate

本文:

2017年1月19日付の米国科学振興協会(AAAS)の標記発表によれば、エネルギー省(DOE)長官に指名されたリック・ペリー前テキサス州知事は(同氏は以前、DOEの廃止などの提案をしていた)、DOEの科学研究およびその広範な任務を支持すると約束した。同氏はまた(同氏の指名審査を行う)上院エネルギー・天然資源委員会に対して、自らの気候変動に対する見解を変更し、これからは人間活動を、それが主たる誘因であるとは言わないものの、変動に寄与している要因の一つであると見る、と述べている。

ペリー氏は人間の活動が気候変動に影響を及ぼしているという科学的合意への反対は撤回したが、人間が主たる誘因であるというには至っていない。「問題は、経済成長、エネルギーの安価性、米国人の雇用を損なわないような思慮深い方法でいかに対処するかだ」とペリー氏は述べている。

ペリー氏は科学に基づいて政策を策定するとし、DOEの科学研究を推進し、気候変動の研究者も含めてDOEの研究者を擁護すると約束した。同氏は、指名を受ける前にトランプ移行チームが気候変動業務に関わっているDOEスタッフおよび契約職員を特定しようとした調査とは距離を置くとしている。

AAAS CEOのラッシュ・ホルト氏は「人間の活動が気候変動に関わっていると認めたことは、気候変動に対処する取り組みに向けた重要なステップである。それに思慮深いアプローチが必要だという点ではペリー氏と同意見である。専門知識を有し、数10年に及ぶ研究をしている科学界は、政策決定者が気候・エネルギー問題に対する入念な解決策を策定するにあたり活用できるように、必要な科学的知識を提供する用意がある」と述べている。ホルト氏はまた、「ペリー氏が、基礎研究への投資が来るべき世代に利益をもたらすとは限らないとしながらも、基礎研究に対する支援を表明したことに勇気づけられた。DOE内の広範囲にわたる研究プログラムを支援する予算要求に当っては、次期DOE長官がこの認識に基づいて行動できるよう支援する用意がある」とも述べている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]