[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2017/02/21
抄訳記事公開日:
2017/04/14

米国地球変動研究プログラムの成果を詳述した新規報告書

Media Advisory: New Report Details Accomplishments of U.S. Global Change Research Program

本文:

2017年2月21日付の全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)の標記発表の概要は以下のとおりである。

米国地球変動研究プログラム(USGCRP)は、地球観測システムの開発、地球系モデル化能力の向上、炭素循環プロセスの解明の進展は、地球環境変動に関わる科学の進展および地球環境変動が社会に及ぼす影響についての理解の増進に大きな成果をもたらした、とNASEMの最近の報告書は述べている。さらに、本プログラムを継続して知識基盤を構築し、高まりつつある地球規模の課題について意思決定機関や公衆に情報を提供していく必要がある、と報告書は提言している。

1990年の地球変動研究法により設置されたUSGCRPは、参加13省庁における地球変動研究活動を統括し、各研究機関の成果を示す総括・評価結果を発表する。

今回のアカデミー報告では1990年に開始して以来の本プログラムの重要な役割と成果を明らかにしている。本プログラムの当初の優先課題の1つは地球規模の観測システムの必要性に対処することであった。25年後の今では、USGCRPの総合観測省庁間ワーキング・グループ(ObsIWG)の指導により、宇宙からの大規模で拡大しつつある地球測定ポートフォリオが存在する。ObsIWGは加盟機関内における観測能力や研究を統括する。

この他、報告書では科学的知見を意思決定機関に対してより有用たらしめるUSGCRPの業績にも注目している。例えば本プログラムでは過去50年間に米国のほとんどの地域において激しい豪雨の増大が見られたことを報告している。このよう豪雨は下水道や道路といった既存インフラを水没させてしまう洪水の原因になる。このような知見が沿岸の洪水や極度の水文学的事象に関するリスクマップなどのツールの開発に役立っている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]