[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立情報科学・自動化研究所(INRIA)
元記事公開日:
2017/02/15
抄訳記事公開日:
2017/04/18

セキュリティ保護電子証明書における生体認証データの集中管理は不可避なのか

Titres électroniques sécurisés : la centralisation des données biométriques est-elle vraiment inévitable ?

本文:

国立情報科学・自動化研究所(INRIA)の2017年2月15日付標記発表の概要は以下の通り。

セキュリティ保護電子証明書(TES)の中央集中化ファイルの創設を認めた2016年10月28日付政令は多くの疑問や懸念を引き起こしている。政府が強調する主要目的は身分証明書の不正使用対策である。しかし政令の条文では国家警察、憲兵隊、諜報機関の職員についても、このデータベースへの一定のアクセスを許可している。このような中央集中化したファイルは個人の自由、特に市民のプライバシーの侵害を引き起こす可能性があるというリスクを指摘する声が多数上がっている。INRIAはプライバシーの保護を保証するべく、その客観的分析と提言をここに示す。

本報告では構造の分析と代替の解決策を提供することで議論の拡大を狙う。また個人データの保護に関して補足的な視点を提供することも目的としている。

不正使用(ならびに、より一般的な意味での犯罪)対策方法の強化とプライバシー保護の要求とは大きく矛盾するものではない。しかし電子証明書の管理システムの利点と欠点について判断を下すには、次のことが必要と考えられる。
・特に現状および他の解決策との比較において、望ましい機能および我々が期待する利点を明確に定義すること
・採択された技術的解決策を評価分析に耐える十分に精確な方法で記述すること
・期待される利益に照らしてプライバシーを侵害するリスクを厳密に分析すること

なお本文書は完璧性を意図したものでもなく決定的な分析や解決策を提示するものでもないが、上記のような問題に厳密な方法で取り組むための一つの枠組みを提示するものである。

本分析報告書は下記サイトからPDF形式で入手可能である。
https://www.inria.fr/content/download/105942/1576908/version/2/file/TES-White_Paper_Inria_2017_VF+1_0802.pdf

[DW編集局+JSTパリ事務所]