[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国民教育・高等教育・研究省(MENESR)
元記事公開日:
2017/03/10
抄訳記事公開日:
2017/05/08

科学・技術・産業文化国家戦略

Remise de la stratégie nationale de culture scientifique, technique et industrielle

本文:

国民教育・高等教育・研究省(MENESR)の2017年3月10日付標記報道発表では、このほど発表された科学・技術・産業文化国家戦略(SNCSTI)について述べている。概要は以下のとおり。

本国家戦略は科学、技術、産業文化(CSTI)の発展策の指針を示し、国家の主要優先課題に関与する全当事者間の連携を図るものである。国家研究戦略(SNR)の枠組みと全面的に合致するもので、今後文化・通信省が発表する文化研究に関する戦略を補完するものである。2013年に開始された広範な議論に由来するもので、科学・技術・産業文化国家評議会(CNCSTI)が策定して2017年3月9日付で政府に提出したものである。

本国家戦略は次の4項目の分野横断的テーマを優先課題として扱う。

・男女機会均等
・気候変動と持続可能な発展
・欧州
・科学技術の歴史

本国家戦略では次の5項目の戦略的指針を定義している。

1) CSTIに関与する意思決定者の意識を高め、当事者間の面識を高める
CSTIを構成する領域の調査、体験や良い実施例の共有の展開、仲介者や中継者の育成、目標と取り組みおよび成果に関する実施策の影響についての評価、意思決定機関や経済界の当事者に向けた広報など。

2) デジタルツールを利用して、多くの市民に科学をわかり易くする
多様な種類のメディアとの提携関係の展開、科学文化機関・団体・第三者機関におけるデジタル移行に対する側面支援、市民に対してコンピュータやインターネットを活用した一連の対話型研修の提案、デジタル科学の成果に関する市民教育、情報の批判的な読み方やWeb・ソーシャルネットワーク上の表現に関する研修会の展開、CSTIの領域における起業の促進・支援など。

3) 民主的な議論と公共政策への支援を強化する
社会的テーマに関する科学的調査・分析の結果を分かりやすい言葉で解説して随時あらゆるプラットフォーム上で利用可能にすること、CSTIの運用、公開討論、フォーラムなど、科学者、市民、議会議員が関わるイニシアティブの強化・支援、国家公務員や地方公務員の幹部職への博士号取得者の就任を促進、行政や企業の意思決定者の育成・評価の展開、CSTIに関与する市民のネットワークの形成など。

4) 科学的方法を極力多数の国民に認知させる
仲介や処理において科学的調停や公開討論の形成を実施・支援、科学者と第三者の市民に、交流、議論、共有の場を提供、学校の内外で生徒に対して科学的思考の教育を強化、参加型科学プロジェクトの展開を図ること、相互対話を可能にする調停方式の展開・支援、学校内外での科学教育を支援する装備や施策を展開することなど。

5) イノベーション文化及び技術・産業資産に関する知識を共有する
技術・産業文化の分野で策定される施策の目標を設定すること、イノベーションを研究している研究機関との関係を確立・強化すること、業務・職業の今後の変革のシナリオ、そのような変革の社会的インパクトについて、未来学者を交えて研究すること、情報を収集しデータベースの作成を可能にするWebプラットフォームの開発、専門教育との連携を強化し、技術・産業文化の教師を育成すること、実験と行動に主眼を置いた施策の促進・展開、技術文化に関して広く流通する媒介ツールを用意して、実行当事者向けの広報計画を策定することなど。

[DW編集局+JSTパリ事務所]