[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立衛生研究所(NIH)
元記事公開日:
2017/03/23
抄訳記事公開日:
2017/05/22

NIH、マルチサイト臨床研究の促進に向けて目標を達成

NIH achieves milestone to accelerate multisite clinical studies

本文:

2017年3月23日付の国立衛生研究所(NIH)の標記発表の概要は以下のとおりである。

疾患の新たな治療法開発では多くの場合、地理的に異なる場所で同じ研究に参加している多数の臨床研究者の参加が必要になる。これらのマルチサイト臨床試験は有望な治療法が安全で効果的であるかどうかを見極めるための好ましい方法であり、患者の治療のために必要な情報を医療専門家に提供できる。しかしながら各サイトはそれぞれ独自の施設内審査委員会(IRB)が提案された研究のリスクと有益性について倫理評価をするので、上記のような研究の開始は遅れる可能性がある。

NIHでは上記のように過度に煩雑なプロセスを簡素化するための政策やプログラムによるイニシアティブを主導している。NIHの国立先進トランスレーショナル・サイエンス・センター(NCATS)によると、このほどすべての臨床トランスレーショナル研究助成(CTSA)プログラム・サイトがSMART(NCATSの簡素化・迅速化されたマルチサイト治験施設)IRB認可協定を締結した旨発表した。現在全部で150以上の主要医学研究機関が加入しているこの協定により、全参加研究サイトが各研究について1つのIRBの倫理審査を受ければよいことになり、マルチサイト研究を数か月でなく数週間以内に開始できることになる。

SMART IRB認可協定は、「マルチサイト研究に対しては1つのIRBで対処するというNIHの方針」に従った研究者支援モデルとなる。NIHのこの方針はIRBの効率向上を図りつつ、一方では研究を迅速に推進できるように研究参加者の保護を狙ったものである。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]