[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2017/04/07
抄訳記事公開日:
2017/06/05

社会科学モデリングの能力を検証する

Putting Social Science Modeling Through Its Paces

本文:

2017年4月7日付の国防高等研究計画局(DARPA)による標記発表の概要は以下のとおりである。

人間の複雑な社会行動やシステムを理解しようとする軍事作戦立案担当者や意思決定者の支援に、社会科学は重要な役割を果たしており、人道上の軍事作戦、安定化のための軍事行動、暴動鎮圧軍事行動など広範囲のミッションを円滑に進めることができる可能性がある。

現在の社会科学の行動研究方式は定量的にも定性的にも多様なモデリング方法に依存しており、実世界の観測を基盤として社会現象を引きおこす要因を推測によって探ろうとするものである。しかしながらこのような方法やモデルの実際の正確性の程度についてほとんど確証されていない。

社会科学モデリングの能力や限界に関する知識の向上を図るべく、DARPAはこのほど「グラウンド・トゥルース(Ground Truth)」プログラムを発表した。本プログラムでは人工的ではあるが妥当性のあるコンピュータ・ベースの社会システム・シミュレーションの活用を狙っており、それには様々な社会科学モデリング手法の正確性を検証するためのテストベッドとして「グラウンド・トゥルース」の因果規則が組み込まれている。

「グラウンド・トゥルース」で開発された妥当性シミュレーションは、社会科学モデリング手法の較正のための客観的テストベッドとして使用される。「グラウンド・トゥルース」が成功すれば、多様な社会科学モデリング手法の能力と限界を試験するための原理的手法が実証され、様々な種類の複雑な社会システムの記述・予測に向けた新たなモデリング方式が開発され、研究および実戦のための今後のモデリング投資に資することになる。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]