[本文]

国・地域名:
スイス
元記事の言語:
英語
公開機関:
スイス国立科学財団(SNSF)
元記事公開日:
2017/04/13
抄訳記事公開日:
2017/06/09

PRIMA:教授職を目指す優れた女性研究者を支援

PRIMA supports excellent women researchers aspiring to a professorship

本文:

スイス国立科学財団(SNSF)の2017年4月13日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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スイス国立科学財団(SNSF)は、優れた女性研究者を対象にした革新的なキャリア資金援助スキーム、PRIMA(Promoting Women in Academia)を導入する。これによりSNSFは、スイスの高等教育機関ではまだ少ない女性教授の登用に貢献していく意向。

スイスの高等教育機関の上級職では、現在でも女性の割合が少ないところが多く、2015年時点で、学生の半数は女性だが、女性の教授はわずか21%となっている。ただ、女性教授が占める割合は、過去9年間で8%増加している。新しいPRIMA助成金の導入によって、優秀な研究者を独立させ、研究上の自立性を獲得させ、次のキャリア・ステップに向けて各々の経歴を充実させていく支援をSNSFが実施していく。

SNSFが導入するPRIMA助成金は、研究分野を問わずポスドク・レベルで、今後も研究を続ける可能性があり、スイスの高等教育機関で学術に携わりたいと考えている女性研究者を対象としている。PRIMA助成金の期間は最長5年間で、受給者の給与およびプロジェクト・コスト(最大で1年あたり150,000スイスフランまで)がカバーされる。チームへの参加や、別の機関に研究目的で滞在する際の援助、また、メンタリング・ネットワークからの支援を得ることもできる。さらに、スイスの高等教育機関に対し、女性教授を採用し、助成金受給者を支援するのを促すため、PRIMAの残りの資金は、採用後の新しい異動先に移すことも可能となっている。

PRIMA助成金の申請者は、提出期日までの2年から10年前までの間に博士号もしくはこれに匹敵する資格を取得している必要がある。人文科学、歯科、獣医科、社会科学もしくは予防医学の学位については、取得後少なくとも3年間の研究が続けられていれば、博士号と同等と見なされる。Ambizione助成金の要件も満たしている申請者は、要請すればPRIMAへの申請をAmbisione助成金への申請と同様に考慮してもらうことができる。

1,500万スイスフランの予算は、2018年の最も期待できるプロジェクトを対象に、10件から12件のPRIMA助成金に割り当てられる予定。

[JSTパリ事務所]