[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
研究・イノベーション総局
元記事公開日:
2017/04/28
抄訳記事公開日:
2017/06/19

欧州委員会の科学顧問団が、農業バイオテクノロジーの新技術に関する解説文書を発表

Commission's top scientific advisers publish explanatory note on new techniques in agricultural biotechnology

本文:

2017年4月28日付の欧州委員会(EC)研究・イノベーション総局による標記に関する発表記事の概要は以下の通りである。

欧州委員会の科学的助言メカニズム(SAM)のハイレベルグループは、「農業バイオテクノロジーの新技術」に関する独自の解説文書を発表した。

これは保健衛生・食の安全担当欧州委員の要請に従ったもので、ハイレベルグループは、植物、動物および微生物に使用される農業育種技術の全範囲の詳細な科学的解説を提供している。入手可能な最善の科学的レビュー、専門家の意見および報告書をもとに作成された同文書は、新しい技術について、従来の育種技術および確立した遺伝子改変技術と比較しつつ説明する。

主な発見は以下の通りである。
・農業バイオテクノロジーの新しい技術(ゲノム編集などを含む)は、互いに大きく異なっており、現在行われているそれらのグループ化は、科学技術的観点から最適ではない。
・新しい技術は、従来の育種または確立した遺伝子改変技術と組み合わせて使用される。
・新しい技術は非常に汎用性があり、植物、動物、微生物に対し、種々の変換を加えることができる。これらは、同種または他の種からの遺伝子の挿入とともに、最終産物のゲノムへのDNAの添加なしに、正確かつ標的を定めた方法での生物自身の遺伝子配列の直接改変をも含んでいる。いくつかの新しい技術は、遺伝子配列をまったく変更させない。
・この変換に対する精度と制御は、従来の育種や確立した遺伝子改変技術を使用した場合よりも優れている。結果として、これらの新しい技術は意図しない影響を受けることが少ない。
・新しい技術によって生み出された生物の安全性(環境、健康など)の評価は、ケースバイケースで行われる。その際、特定の突然変異、意図しない効果、突然変異が導入される種、最終製品が使用される環境、適用される農業慣行、およびその計画された使用と曝露を考慮に入れる。

この解説書は、欧州委員会が2017年9月28日にブリュッセルで計画している農業における近代バイオテクノロジーに関する高レベルの会議を含む、ステークホルダーとの政府による議論を支援するために欧州委員により活用されるものである。

[DW編集局]