[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2017/05/08
抄訳記事公開日:
2017/06/20

中国科学院が牽引役として、「一帯一路」科技組織連盟を立上げ

中科院牵头推进建设“一带一路”科技组织联盟

本文:

2017年5月8日付の「中国科学報」ネット版は、「中国科学院が牽引役として、『一帯一路』科技組織連盟を立上げ」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

中国科学院は中国の科学技術の国家チームの引率牽引役として、「一帯一路」国家(地域)科学院及び科学研究機関を牽引・組織し、「一帯一路」の建設に対して、科学技術面での有力な支援を提供している。2016年11月7日-8日、中国科学院、ロシア科学院、ウズベキスタン科学院、カザフスタン科学院、キルギスタン科学院、タジキスタン科学院、パキスタン科学院、ポーランド科学院、ネパールのトリブバン大学(Tribhuvan University)、スリランカのルフナ大学(University of Ruhuna)、国際総合山岳開発センター(The international Centre for Integrated Mountain Development, ICIMOD)、開発途上国科学院(TWAS)等の12カ所の機関が共同で、2016「一帯一路」科学技術イノベーション国際ワークショップを成功裏に開催した。同ワークショップには、40近くの国・地域の350名余りの国内外科学者が参加し、160名余りの海外からの学者、専門家及びオランダ国家科学院、エジプト国家研究センター等の14カ所の科学研究機関の指導者も含まれている。「一帯一路」科学技術イノベーション国際ワークショップは国際的に広範な認知を受け、中国科学院の「一帯一路」戦略を進める上での重大な戦略配置を実現し、「一帯一路」科技組織連盟の戦略枠組みの初歩的な構築ができた。

同大会の概要:
大会は「科学技術イノベーションに向けて手を繋いで、協同発展を促進する」をテーマにし、特別報告会、特定テーマ討論会、円卓会議、「生態環境と持続可能な発展」、「先進適応技術」、「疾病と健康」、「基礎研究、能力建設及び人材育成」を題とする「一帯一路」建設に関するワークショップから構成された。出席者は「一帯一路」の発展ニーズ、国際科学技術協力、科学技術発展チャンスのマッチング及び「一帯一路」に関する国際科学技術管理の新たなモデルメカニズムの構築について、深くかつ広範な討論を展開した。

同大会の成果とコンセンサス:
一、大会に出席した国内外の各分野での科学者は中国政府が提唱した共同発展繁栄を促す「一帯一路」提案の意義と目標に新たな認識を持つことができた。

二、コンセンサス:科学技術イノベーションは「一帯一路」建設の重要な推進力で、基礎性、戦略性と牽引性の作用により、「一帯一路」建設において協力の優先領域となるべきである。科学研究機関、特に国立科学研究機関は科学技術協力の推進、「一帯一路」建設の分野における重要な牽引作用を発揮させ、共同で戦略コンサルティング、国際研究計画を組織・展開、若手科学研究者の育成を強化し、「一帯一路」の建設に科学技術面の有力なサポートを提供する。

三、大会に出席した20余りの国家科学研究機関の指導者は複数のことで合意に達し、共同で「北京宣言」を署名・発表した。北京宣言の中には、「一帯一路」沿線国の科学研究機関、国際科技組織との長期に渡る協調・協力メカニズムの構築、「一帯一路」国際科学者連盟の設立、「一帯一路」建設の重点領域及び資源、環境、経済、民生、健康、持続可能な発展等の方面において重大な共通性を有する課題に対して科学技術がチャンレンジしていくこと、国際科学技術協力研究計画の組織支援実施等に力を注ぐことを更に明確した。

分科会では、出席者は、「積極的に科学研究データの共有を推進、共同でグローバル化の科学技術の課題に対応、積極的に欧州の科学者の参加を促すこと、更に国際と地域組織の役割を発揮させ、政府、科学研究機関と企業連盟の役割を重視し、相応の教育ネットワークの構築に力を入れ、科学研究と教育協力の両軸により、中国科学院がより多くの作用を発揮していく」と強調した。

今後の活動計画:
今後、中国科学院は国家「一帯一路」戦略について、系統性・実質性の国際科学技術協力を展開、「一帯一路」各国の国家科学院と研究機関に対する資源を集中し、各国の発展において共同で直面している科学技術的問題と挑戦の解決を目指して、国家「一帯一路」戦略の実施に奉仕する。

具体的な措置:
一、更に「一帯一路」科学技術協力の長期的なメカニズム、協力ネットワークの建設及び「一帯一路」国際科学者連盟体系を完備させ、複数の国際影響力を持つ、「一帯一路」沿線国の発展に実質的な役割を発揮できる国際科学研究とイノベーションプロジェクトを組織・支援する。

二、「一帯一路」国家の優秀な若手科学技術人材の育成・誘致を拡大し、「一帯一路」国家に対する研究生、博士・ポスドク奨学金プログラムを設立する。開発途上国の博士人材の「帰国支援プログラム」の制定を探求する。

三、実務協力を堅持し、「一帯一路」国家科学院と科学研究機関と共同で関心を持つ重点分野における国際研究計画を展開する。

四、国家科学技術シンクタンクの機能を発揮させ、「一帯一路」国家科学院と科学研究機関と共同で戦略的なコンサルティング活動を実施し、「一帯一路」建設戦略の実施に科学技術コンサルティングとサポートを提供する。

同大会は今後の「一帯一路」科学技術協力事業の発展に一里塚的な意義を持っている。国家科学技術の主力軍として、中国科学院と「一帯一路」沿線国の科学研究機関、科学技術者が手を携えて、「一帯一路」の発展に科学技術面での貢献をするように努力する形ができつつある。

[JST北京事務所]