[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2017/05/15
抄訳記事公開日:
2017/07/03

微生物から燃料電池

Brennstoffzelle aus Mikroorganismen

本文:

バイオ燃料電池により電力を得る新しい技術の開発に成功、これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

将来の廃水処理施設では、きれいな水とエネルギーの両方を供給する。水処理技術がエネルギー回収に重要な貢献を果たす。そのシステムをスマートエネルギーシステムに組み入れ、エネルギー供給の構造転換で要求されているように、多くの地点に分散させる。研究プロジェクトによって開発された新プロセスは、廃水処理施設におけるバイオ燃料電池である。旧来の化学的エネルギー(多くは水素による)を電力に変換する燃料電池とは異なり、この場合は微生物が有機物から直接電気エネルギーを造り出す。これによって廃水の一部を浄化するだけでなく、同時にそこに含まれる化学的エネルギーを電気に変換する。

バイオ燃料電池により「電力収穫」の新技術を開発することに成功した。研究室での成果はより大きな規模に移され、初のパイロット設備は既に2016年末にゴスラールで稼働を始めた。

一連の開発成功は廃水処理の技術的転換を意味する。即ち、バイオ燃料電池が将来の浄化設備の省エネに寄与するだけでなく、余剰電力をエネルギーネットワークに供給することができるからだ。現在ダルムシュタットのサイトでにあるいわゆる「ヴァーチャル発電所」でも実証実験中である。こうして廃水処理設備はエネルギー市場でサプライヤーとして登場する可能性がある。

廃水処理設備は地方自治体において最もエネルギーを消費している。事業主にとって著しいコスト増の原因となり、最終的には料金を支払う消費者に影響してくる。ドイツでは上下水関係でいまだに電力消費の25%くらいまでの省エネ・ポテンシャルが存在する。

BMBFは2014年、エネルギー効率の良い、省資源的な上下水道管理に関する技術およびコンセプトを促進するため研究プログラムをスタートさせ、2,800万ユーロの助成金を投じている。3年の研究を経た今、公表された12の合同プロジェクト成果の内の一つがバイオ燃料電池である。アカデミア、産業界、市町村、州政府の合計80以上のパートナーが省資源および省エネルギーの給水および廃水処理に関する新たな解決策を見つけるべく取り組んできた。

[DW編集局]