[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)
元記事公開日:
2017/04/21
抄訳記事公開日:
2017/07/07

産業戦略チャレンジ基金による投資内容を発表

Business Secretary announces Industrial Strategy Challenge Fund investments

本文:

ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)の2017年4月21日付標記報道発表の概要は以下のとおり。

クラーク(Greg Clark)BEIS大臣は、雇用創出と生活水準の向上を目的として英国政府が先端技術に10億ポンドを投資するとの発表を行った。産業戦略チャレンジ基金(ISCF)によるこのファンディングは今後4年間に6つの主要領域に投資され、英国全土の企業やセクターのために機会をもたらす進歩やイノベーションを牽引するものである。

ISCFを通じたファンディングの対象となるのは次の6つの重点領域である。

・クリーンで柔軟性のあるエネルギー
4年間に2億4,600万ポンドの投資を行い、英国企業が低炭素経済への移行によって得られる機会を掴めるように支援して、電気自動車向けバッテリーの設計、開発、製造で英国が世界を主導できるようにする。

・先端の医療・医学
4年間に1億9,700万ポンドの投資を行い、新しい薬剤や治療法の患者による早期利用を促進する医薬品製造技術を開発する。当該技術はこの種のものとしては初めて開発される技術である。

・ロボット技術・人工知能(AI)
4年間に9,300万ポンドの投資により、洋上エネルギー、原子力、宇宙、深部採掘などで生じる極限環境で動作可能なAI・ロボットシステムを開発することで、官民サービスの生産性を向上させる。

・無人運転車
2035年までに630億ポンド相当と予想されている無人運転車技術セクターにおいて、世界を主導する英国の地位を確保するべく、政府は新たな共同研究開発プロジェクトに3,800万ポンドの追加投資を行い、産業界のパートナーと協力して、英国が無人運転車革命の最先端の地位を確保するために必要な次世代AI・制御システムの開発を行う。

・製造技術・新材料
研究開発プログラム向けの2,600万ポンドの追加ファンディングにより、政府は23万人を超える雇用を抱える英国の民間航空宇宙産業セクターを支援する。航空宇宙、自動車その他の先進製造技術セクター向けに、価格も手ごろな次世代軽量複合材料の開発を狙う。

・衛星・宇宙技術
モバイル技術を支える成長産業として、世界的に定評がある英国の衛星技術をベースに、新たな打ち上げ技術を支援する衛星試験施設のほか、英国による今後の衛星の建設と軌道投入を可能にする製造・試験能力に、9,900万ポンドのファンディングを行う。

政府はISCFによるファンディングを支援するため、高度な技術を持った研究人材の供給ルートを継続して構築するべく、今後4年間に2億5,000万ポンドを投資する旨を春季予算で発表している。これにはPhD(博士)職の1,000ポストの追加と、初期および中期キャリアの研究者に対する新規フェローシップの支援が含まれ、いずれも産業戦略に沿った領域において実行される。海外から英国にグローバルな人材を引き寄せ、英国の主導的な地位をするための重点的な投資がこのファンディングを補うことになる。

新ファンディング・エージェンシー「英国研究・イノベーション(UKRI)」が2018年に設立されるまで、ISCFはInnovate UKと各研究会議によって管理される。UKRIはその最高責任者(Chief Executive)に最近指名されたマーク・ウォルポート(Mark Walport)卿の下で、産業戦略を通じて英国の競争力を強化するという重要な役割を果たすことになる。

[DW編集局]