[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2017/07/10
抄訳記事公開日:
2017/08/18

メディカルインフォマティクスで、より優れた治療を

Bessere Therapien dank Medizininformatik

本文:

連邦教育研究省(BMBF)はメディカルインフォマティクスに1億5,000万ユーロを投入することとなり、概略下記のような報道発表を行った。

BMBFは効果的なデジタル医療に向けてメディカルインフォマティクス・イニシアチブを立ち上げた。目標は、増加しつつあるデータ(レントゲン画像から遺伝子分析まで)を国家規模のインフラで結びつけ、そこからより有効な保健研究や治療のための新しい知識を得ることにある。

BMBFは内外のトップレベル専門家会議の提案により、このほど17の大学病院および約40の関係機関からなる4つのコンソーシアムをメディカルインフォマティクス・イニシアチブによる4年間のセットアップおよびネットワーク・フェーズに含めることを決定した。BMBFはこのために今後4年間に約1億2,000万ユーロを投入する。

2018年1月からこれらのコンソーシアムはデータ統合センターを構築、それを通じて相互にネットワーク化され、データの交換が可能となる。その際データの保護およびセキュリティを最重要視する。ドイツの非常に厳格なデータ保護法による規格および基本条件を厳守することは助成の前提として不可欠である。個別がん治療から多発性硬化症、さらには集中医療までの色々な医学的応用において、同コンソーシアムは患者のためにデジタル化、ネットワーク化された付加価値の高い医療を実証することが期待されている。

ヴァンカ大臣は「クリニックの医師であれ、かかりつけ医師や専門医であれ、全ての医療者が全ての利用可能な経験値および研究結果を、ボタンを押すだけで検索でき、治療法の決定に取り入れることができるようにするということがビジョンである。これによって患者はなお一層効果的に助言と治療を受けられるようになる」と語った。

デジタル時代にあっては医師や研究者は世界的にネットワーク化されており、毎日新しいデータや情報が生みだされている。しかしこれまではデジタル医療は検索マシンのないインターネットと同じようなもので、大量の情報はほとんど開かれることもなく、あるいは利用されることがなかった。

ネットワークされたデジタル保健システムの確立は国家的な使命でもある。それゆえ、コンソーシアム以外の大学病院や拠点もコンセプト段階からイニシアチブに参加すべきである。このためにBMBFは最大3,000万ユーロの追加投資を行う。ヴァンカ大臣は「これらの未来指向型の措置の国家的特徴およびインパクト力を強化するため、助成総額を1億ユーロから1億5,000万ユーロ強へと増額した」と語った。

イニシアチブでは9ヶ月間のコンセプト・フェーズが先行しており、それにはドイツの33大学病院の内28病院およびその他多くのパートナー機関が参加している。

[DW編集局]