[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
報道センター
元記事公開日:
2017/07/03
抄訳記事公開日:
2017/08/23

EUの研究イノベーションに関する有識者グループの提言

Independent top advisors call for increased EU investment in research and innovation for the sake of Europe's future

本文:

報道センターの2017年7月3付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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EUの研究イノベーション計画の影響力を最大化することに関するハイレベル・グループは2017年7月3日、欧州委員会に対してEUの研究イノベーションに関する新たなビジョンにおいて11の提言を示した。

報告書『LAB-FAB-APP:Investing in the European future we want』は、過去20年間、先進国における経済成長の3分の2は研究イノベーションのおかげで達成されたものであるとし、研究イノベーションに対するEUの投資効果を最大化し、繁栄を拡大して、最も大きな社会的課題を解決していくことを報告書内の提言として重視している。Jacques Delors InstituteのPascal Lamy名誉所長が議長を務めるこの独立したハイレベル主要専門家グループは提言の中で、欧州は、創造される知識をこれまで以上に活用し、イノベーションの可能性を経済成長に結び付けなくてはならず、EUおよび各国の予算において研究イノベーションを優先し、EUの現行の研究イノベーション計画であるホライズン2020の後継計画の予算を倍増する必要がある、としている。また、全世界的な課題に関して、広範かつ機動的なイノベーション・ミッションを通じて市民を関与させなくてはならない、と述べている。

専門家グループによる11の提言は以下の通り。

1. EUおよび各国の予算において、研究およびイノベーションを優先する。これには、2021年以降のEUの研究イノベーション計画の予算を倍増することも含まれる。
2. 将来のマーケットを創出できるような、EUとしての適正なイノベーション政策を確立する。
3. 将来を見据えて教育し、変革を起こせる人材に投資する。
4. より大きな影響力を持つEUとしての研究イノベーション・プログラムを策定する。
5. 影響力を重視した課題解決型アプローチを採用し、全世界的な課題に対処する。
6. EUの資金調達・供与環境を合理化し、欧州構造資金との相互効果を実現する。
7. さらに無駄をなくし、プロセスよりも影響力を優先する。
8. 市民を動員し、関与させる。
9. EUと各国の研究イノベーションへの投資を、より的確に整合させる。
10. 国際的な研究イノベーション協力を、EUの研究およびイノベーションのトレードマークにする。
11. 適切なコミュニケーションの確保。

EUの研究イノベーション計画の影響力を最大化することに関するハイレベル・グループ(High Level Group on maximising the impact of EU Research and Innovation Programmes)は、欧州全域から幅広い専門知識を備えた12人の専門家によって構成されている。いずれも大学や研究機関の主要ポストや、大企業や精力的な中小企業のトップ、国の機関もしくは国際機関で政策に携わるハイレベルの職位、または市民社会団体で重要な役割を担っている人々である。

専門家グループは2016年12月、研究イノベーションに対するEUの投資の影響力を最大化する方法について欧州委員会に助言するよう依頼を受けていた。

[JSTパリ事務所]