[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2017/06/27
抄訳記事公開日:
2017/08/29

主要科学団体が科学アドバイザーの活用と科学的データの保全を要求

Use Scientific Advisers and Protect Scientific Data, Joint Society Letter Urges

本文:

6月27日付けのAAAS(米国科学振興協会)による標記記事の概要は以下のとおりである。

AAASを含む米国の主要科学団体が、トランプ大統領および同政権に対して、実施中の科学諮問委員会の役割に関するレビューの透明性を確保し、委員会における科学的情報の公正性を維持すること、そして、連邦による正確な科学的データと情報を保全し、連邦政府機関のウェブサイトから容易に入手できるようにすることを要求する書簡を提出した。同書簡では、科学諮問委員会の設置や運営等を管理する1972年連邦諮問委員会法に従い、民主的原則に照らしてレビューを行うことを促している。

同書簡では、科学諮問委員会は、政策判断のための科学的情報を連邦政府機関に提供しており、科学技術的コンピテンスと学問領域に配慮した多様な視点を示すべきと警告している。さらに、「科学技術的課題に関係ない基準や、利害関係者の利益に基づく諮問委員の選任、解任、交代や諮問委員会の解散は、科学的諮問プロセスの完全性を危うくする。」と述べている。

科学者達は、環境保護庁(EPA)が、8月末に任期が満了する数十人のEPA理事会理事に対して、これまでは任期更新が慣例だったが、任期更新をしないと通知していることを受けて、EPA長官スコット・プルーイット(Scott Pruitt)が理事会の権威を傷つけているという懸念を表明した。さらに、「米国連邦政府の科学的助言の将来」について懸念を表明したほか、政府が政府ウェブサイト上で科学的データや情報を保護・保存する必要性を強調した。なお、連邦法により、政府機関のデータや情報の破壊は犯罪であると規定されており、そのデータや情報は政権交代時においても継承される必要があるとしている。

本書簡は、4月末にプルーイット長官がトランプ政権の立場を反映するために先の公約通りに行ったEPAウェブサイトの改訂に呼応するものである。現在、気候変動科学に関する広範な情報リポジトリを探索するためには、トランプ大統領就任の前の2017年1月19日のウェブページを確認する必要がある。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]