[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
エネルギー省(DOE)
元記事公開日:
2017/08/08
抄訳記事公開日:
2017/09/20

2016年も風力発電が継続して急増とDOEが報告

Energy Department Reports: Wind Energy Continues Rapid Growth in 2016

本文:

8月8日付けのエネルギー省(DOE)による標記記事の概要は以下のとおりである。

DOEが、全米の風力エネルギーの継続的な成長を示す風力発電市場報告書を公表した。昨年、米国の風力発電産業により新たに追加された風力発電容量は8.2GW以上となり、これは2016年に増加した全エネルギー容量の27%を占める。2016年には米国の電力の約6%を風力が供給し、14州が10%以上の電力を風力から得ている。

米国の風力発電容量は2016年に急成長を遂げたが、近年および今後の成長は、連邦政府によるインセンティブである生産税額控除(PTC)と数多くの州の支援政策により支えられている。風力発電は、またコストの改善や発電技術の向上によっても支えられており、これにより電力会社、企業、その他の電力購入会社にコストの低下をもたらしている。しかし、現在のPTC以降の風力発電量の更なる成長については、連邦による税支援の削減、天然ガス価格の低価格化の見通し、穏やかな電力需要の増加を考慮すると、不確実なままである。

DOEローレンスリバモア国立研究所による2016年風力技術市場報告書の主な調査結果は以下のとおりである。
・40州とプエルトリコで実用規模の風力発電プロジェクトを運営している。
・テキサス州は、20GW以上の風力発電を行い、全米一の規模を誇る。
・風力エネルギーは、20年以上の固定価格維持などの購入インセンティブがあり、他の自然エネルギーに比べて価格優位性を有する。
・アイオワ州とサウスダコタ州では風力発電が全電力の30%以上をまかない、他の12州でも10%を超えている。

DOE国立再生可能エネルギー研究所(NREL)による2016年オフショア風力発電技術市場報告書の主な調査結果は以下のとおりである。
・Deepwater Wind社が、2016年12月、米国で初めての商業利用のためのオフショア風力発電プロジェクトを開始した。本プロジェクトでは6MW風力タービン5基をロードアイランド州の水域に設置する。

DOEパシフィック・ノースウェスト国立研究所(PNNL)による2016年分散風力発電市場報告書の主な調査結果は以下のとおりである。
・全米50州、コロンビア特別区、グアム、プエルトリコ、米領バージン諸島に設置された約77,000台の風力タービンで992MWの発電容量を達成している。
・2014年から2016年の間に、米国に本拠を置く小型風力タービンメーカーは、小型風力タービンの輸出販売で2億4000万ドル以上を稼いでいる。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]