[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2017/08/21
抄訳記事公開日:
2017/10/05

NASEMが合成生物学の脆弱性を特定する基準を提案

New Report Proposes Framework to Identify Vulnerabilities Posed by Synthetic Biology

本文:

8月21日付、全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による報告書の概要は次のとおりである。

合成生物学(生物または生物学的構成要素を改変したり作り出したりする技術を使う分野)の発展に伴う安全上の脆弱性について、全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による新しい報告書は、この分野に関する懸念の可能性のある分野を特定し、優先することに関する基準を提案している。この報告書は合成生物学の時代に生物兵器の脅威の変遷について調べている2段階研究の最初の段階で、合成生物学が生物兵器製造に使われる度合いに焦点を当てている。

「バイオテクノロジーは基本的に有益で合法的な目的のために推進されているが、人類や他の生物、エコシステムにとって有害となる可能性もある。」とはミシガン大学の教授で、今回のレポートを書くにあたっての委員会の座長を務めたインぺリアール教授の言葉である。

報告書に書かれている基準では、まず数々の合成生物学技術やその応用(例えば、遺伝子編集、指向性進化、自動化された生物学的なデザイン)について述べ、これらの技術に関する懸念を評価するにあたり一連の質問項目を挙げている。この基準では、2つの大まかな分類をしている。つまり、悪意を持った使い方と軽減である。報告書を書いた委員会は、この分類が特定の合成生物学技術やその応用についての懸念のレベルを決めるのに重要であるとしている。後に作成される最終報告では、委員会はこの基準を必要に応じて修正し、米国国防総省に対して、軽減の可能性と共に、合成生物学技術とその応用による懸念の評価結果を提供するためのツールとして活用する考えだ。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]