[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立標準技術研究所(NIST)
元記事公開日:
2017/09/11
抄訳記事公開日:
2017/10/18

NISTが商務省関連研究所の技術移転に係る報告書を公表

NIST Publishes 2016 Department of Commerce Laboratories Technology Transfer Report

本文:

9月11日付けのNIST(国立標準技術研究所)による標記記事の概要は以下のとおりである。

NISTは、商務省(DOC)の2016年技術移転報告書を公表した。本報告書は、NIST、国立海洋大気局(NOAA)、通信科学研究所(ITS)を含む国立電気通信情報管理局(DIST)の3研究機関の技術移転活動を総括している。これらのDOC下の研究機関は、その研究成果を米国企業に活用させ、それにより国際市場での米国企業の競争力を強化することを目的としている。本報告書は、雇用創出、経済成長、持続可能な発展、すべてのアメリカ人の生活水準の向上促進というDOCのミッションにとって技術移転が重要な役割を果たすと強調している。

2016年度にDOC下の研究機関の研究者は389の共同研究開発契約(CRADAs)に参加し、このうち最大の契約グループ(54)はNISTとITSが主導した安全な公共安全広帯域通信ネットワークのデモを担当した。 DOC下の研究機関では55件の新規発明が公開され、25件の特許出願がなされ、12件の特許が権利化された。 57件の実施許諾のうち、33件は有償で14万8,662ドルの収入を得た。 また、DOC研究者は、査読付ジャーナルに3,056件の科学技術文献を発表した。

2016年のDOC技術移転の一例は、NISTによる精密医療診断法であり、それには測定基準が含まれている。これにより産業界において癌、自己免疫疾患および感染症の治療の質を保証することが可能になった。また、NISTはレーザートラッキング技術に関する専門知識をベースに、産業界と連携してレーザートラッカーの精度を検証する商用デバイスの開発を目指している。

NOAAは複数の企業と提携し、クラウドプラットフォームを利用して次世代気象レーダー(NEXRAD)データへのアクセスを拡大した。その結果、データの使用量が大幅に増加し、NOAA自身のシステムの負荷が50%減少した。また、NOAAは大学や民間企業の研究者と協力し、商業的に利用可能な自律研究プラットフォームを使用して、遠く北極での絶滅の危機に瀕している商業的に重要な魚のデータ収集のための新技術をテストした。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]