[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
原子力廃炉措置機関
元記事公開日:
2017/08/02
抄訳記事公開日:
2017/10/18

老朽原子力施設の危険性除去を目的とした300万ポンドのコンペティション

£3 million Dragon’s Den style competition shortlists ideas to clean up old nuclear plants

本文:

原子力廃炉措置機構(NDA)の2017年8月2日付標記発表の概要は以下のとおり。

英国最大の原子力の危険性の一つを除去する新しい方法の発掘を目的とした300万ポンドのコンペティションで、15件のアイデアが選抜候補に挙げられた。これらアイデアの多くは、これまで原子力産業に携わったことのない企業が発案したものである。次の段階の選考機会に向けてそれぞれの構想の展開になお3か月の猶予がある。欧州最大の原子力複合施設セラフィールド(カンブリア州)にある多数の高放射能の部屋「セル」を安全に解体する方法について、15件のアイデアの発案者は各々の構想の具体化に着手する。

上記コンペティションはNDAとInnovate UKが実施するもので、選抜候補である新規15件のコンソーシアムに対して各自の構想展開を支援する目的で、当初75万ポンドの助成を実施する。今年末に最終的に対象者が選抜され、残っている資金の支援を受けてプロトタイプの作成を開始した時点で、詳細が明らかにされる。

今後数年間にセラフィールドの複数の主要原子力プラントが運用上の寿命に達する。これには使用済み燃料の再処理プラントも含まれる。汚染された配管、導管、数マイルに及ぶ鉄鋼製品からなる複合ネットワークなど、多数の高放射能セルを扱う重要な廃炉処理という挑戦の始まりを意味する。本コンペティションでは、このような「セル」を出来るかぎり安全で迅速、かつコスト効率良く、しかし労働者に対するリスクは最小化する技術を発掘してファンディングを行う。

ファンディング対象の技術では、セルへの安全なアクセス、内容物の調査、内容物の浄化、放射性廃棄物の安全な貯蔵のための密封化の方法を究明する必要がある。提案では人工知能、バーチャル・リアリティ、ロボット、ドローン、レーザー、特殊なリモート・センサーや検出器など最先端技術の活用を上げている。

当初はセラフィールドに焦点を当てるが、採用されるアイデアはNDAが所有する他の原子力施設の浄化にも活用される可能性がある。

[DW編集局]