[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立研究機構(ANR)
元記事公開日:
2017/09/05
抄訳記事公開日:
2017/10/23

ANR、2018年の活動計画を発表

Plan d'action 2018

本文:

2017年9月5日付国立研究機構(ANR)の標記発表の概要は以下のとおり。

ANRは研究の優先課題とファンディング方式を定める「活動計画」を毎年策定している。来るべき年のANRの実際的なロードマップである本文書は、国家研究戦略(SNR)の方針の下に、研究当事者機関(5つの全国研究連盟、CNRS、関係省庁間の活動調整を担当する研究・イノベーション担当省)との協議を経て策定される。

本活動計画では当該年の予算執行におけるANRのプロジェクト公募の枠組みを定める。これは、中小企業や零細企業を含むフランスの研究に関与する全ての科学界、官民当事者機関を対象とする。

2018年活動計画は2017年6月27日のANR理事会で採択された。ANRの活動の枠組みをより分かりやすくするための改善点がいくつか示されており、(年次計画の全般的構想を分かるようにした)30ページに及ぶ総括文書と、(2018年の包括的プロジェクト公募に関係する研究について記述した)研究目標文書との2部構成になっている。

●4つの構成要素(主体は包括的プロジェクト公募による研究・イノベーション)
本活動計画は4つの分野横断的な構成要素で組み立てられており、その各々がそれぞれの特定予算の対象になっている。各構成要素で独自にファンディング手段、プロジェクト公募、特定プログラムが用意されている。

・構成要素1:「包括的プロジェクト公募(AAPG)」による研究・イノベーション
・構成要素2:AAPGを除く個別の活動。緊急対応や特別措置に対処する具体的な目的に絞った活動
・構成要素3:欧州研究圏(EER)の構築・フランスの国際的求心力
・構成要素4:研究の経済効果と競争力。企業との提携関係、公的機関による研究成果の経済界への移転

●提携機関と共同ファンディング
ANR活動計画の枠組みにおけるプロジェクト公募の資金は、研究担当省がANRに毎年配賦する助成用の補助金から支出される。他方でプロジェクトに対する研究ファンディング機関としての任務と矛盾しない形で、ANRは次のような他のファンディング機関と提携関係を築いている。

・全国自立連帯金庫(CNSA)
・国防省装備総局(DGA)
・保健省医療提供総局(DGOS)
・農業・食品産業・森林省(MAAF)
・環境・エネルギー・海洋省(MEEN)
・国防・国家安全保障事務総局(SGDSN)

上記提携関係は、ANR固有の助成予算を補完するファンディングやプロジェクトの共同ファンディングの機会を示すものである。

●より簡素化され重点研究分野別に構造化される2018年包括的プロジェクト公募(AAPG)
AAPGが動員するファンディング区分は複数ある。あらゆる学術分野、あらゆる研究種別(最も基礎的なプロジェクトから、特に中小・零細企業を含む企業との提携の下に実施される応用研究に至るまで)に開かれている。ファンディング区分としては、若手研究者が実施する個別研究プロジェクト(JCJC)、公的組織間で実施される国内共同研究プロジェクト(PRC)及び国際共同研究プロジェクト(PRCI)、企業界に開かれた官・民共同プロジェクト(PRCE)がある。

2018年AAPGは、2018年活動計画の主要構成要素である「研究・イノベーション」に対応するが、国家研究戦略(SNR)の一環で定められた9項目の社会的課題を背景に、重点研究分野別に構造化されている。

9項目の社会的課題の枠組みでは36件の重点研究分野が示されている。社会的課題の枠外では一部の基盤的分野を支援する3件の重点研究分野が示されている。また8件の重点研究分野が学際的である。

[DW編集局+JSTパリ事務所]