[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)
元記事公開日:
2017/09/19
抄訳記事公開日:
2017/11/08

米国を海洋バイオマス生産のリーダーとするためにARPA-Eが2200万ドルを支援

ARPA-E Awards $22 Million to Help Establish United States as a Leader in Marine Biomass Production

本文:

9月19日付けのエネルギー高等研究計画局(ARPA-E)による標記記事の概要は以下のとおりである。

米国エネルギー省(DOE)は本日、「新エネルギー源としての大型藻類研究(MARINER:Macroalgae Research Inspiring Novel Energy Resources)」プログラムの一環として、18の革新的なプロジェクトにARPA-Eを介して、2200万ドルのファンディングを行うと発表した。 MARINERプロジェクトでは、米国を大型藻類や海草の主導的生産者とするためのツールを開発し、米国のエネルギー安全保障と経済競争力の向上に資することを目的とする。

大型藻類は、輸送燃料、化学物質、その他の商業用製品の原料として、他の食糧作物と土地や水を奪い合うことなく利用できる可能性を秘めている。

ARPA-Eの局長代理エリック・ロフリングは次のように述べている。「アラスカからメキシコ湾岸まで、米国には輸送燃料の需要の10%を賄うのに十分な海藻を生産することができる沿岸資源を有している。MARINERのプロジェクトチームは、大型藻類を効率的かつ費用対効果の高い方法で栽培し、収穫するという技術的課題に焦点を当てることにより、この資源をエネルギーの未来に貢献させるのに必要なツールを構築する。」

現在、発電や液体燃料用に使用される米国内バイオマスのほとんど全てが陸上で生産されている。大型藻類の生産量は過去四半世紀にわたり大幅に増加しているが、現時点では、十分なインパクトを与えるような、海藻から燃料を生産するプロセスに必要なスケール、コスト、効率を達成できていない。この高生産性を達成するためには、藻類農場の設計や自律的な操業等の先進的な研究を含む、革新的なシステムレベルでの改善とエンジニアリングに焦点を当てた技術主導のアプローチが必要となる。

MARINERのプロジェクトチームには、新たなアイデアの交換を行い、最も革新的な成果を達成するためにパートナーシップの構築が求められる。インパクトのある大型藻類による燃料生産は極めて野心的な計画であるため、MARINERの初期研究開発課題を克服するためには、栽培・収穫システム、先進部品、コンピュータモデリング、水生モニタリング、先進的交配手法、遺伝的ツールなどの分野横断的なコラボレーションが必要となる。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]