[本文]

国・地域名:
スイス
元記事の言語:
英語
公開機関:
スイス国立科学財団(SNSF)
元記事公開日:
2017/10/05
抄訳記事公開日:
2017/12/19

2017年ノーベル化学賞受賞者をSNSFが長期にわたり支援

Nobel laureate supported by the SNSF since 1989

本文:

スイス国立科学財団(SNSF)の2017年10月5日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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2017年ノーベル化学賞は、スイス国立科学財団(SNSF)から長期にわたり資金援助を受けていたジャック・デュボシェ(Jacques Dubochet)氏に贈られることになった。SNSFは、1989年以降、同氏に関する10件のプロジェクトに資金を供与している。

SNSFのMatthias Egger氏はノーベル委員会の決定を受け、「この賞は、スイスにおける独立した、また国際的な基礎研究を支えるためのこの上ない裏付けとなるだろう。」と同氏の受賞を歓迎した。

今回の受賞は、2002年以降、スイスの研究者に与えられる初のノーベル賞となった。ローザンヌで開かれた記者会見の席で、ジャック・デュボシェ氏は、スウェーデン王立科学アカデミーに対する敬意を表し、「これは自分一人の成果ではない。皆の努力の賜物である。」と付け加えた。

SNSF研究会議のメンバーであるチューリッヒ工科大学分子生物学・生物物理学研究所(Institute of Molecular Biology and Biophysics)のKaspser Locher氏は「クライオ電子顕微鏡法の当初の開発者と推進者がノーベル賞を受けるということは、実に喜ばしい」と述べた。この手法は、構造生物学に革命的な変化をもたらし、その影響を考慮すると、細胞生物学にも大きな変革をもたらす可能性があり、デュボシェ氏と(ヨアヒム)フランク氏、(リチャード)ヘンダーソン氏を始めとするこの分野の他の研究者らの功績により、細胞組織や高分子も驚くべき精度で画像化できるようになった、としている。また、研究成果の用途は多岐にわたり、基礎研究の後押しと、テクノロジーの更なる推進にも繋がるだろう、としている。

[JSTパリ事務所]