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デイリーウォッチャー
国名:
ロシア
公開機関:
ロシア連邦政府
元記事公開日:
2017/10/17
抄訳記事公開日:
2018/01/04
元記事の言語:
英語

第6回オープン・イノベーション・モスクワ国際フォーラム

Sixth Open Innovations Moscow International Forum

本文:

ロシア連邦政府の2017年10月17日付標記発表の概要は以下のとおり。

今年6回目となるオープン・イノベーション国際フォーラムは2012年にモスクワで初めて開催され、経済発展省、モスクワ市政府、インフラ・教育プログラム向け RUSNANO 基金、ロシア・ベンチャー・カンパニー(RVC)、イノベーション支援基金(FASIE)、スコルコボ基金、ロシア開発対外経済銀行(VEB)が共催している。

フォーラムは3日間にわたり、初日のアジェンダは、従来型企業・産業のデジタル改革およびマネジメント技術革命で、2日目はグローバルなデジタル化に伴う行政システムの変革、3日目はデジタル経済の社会的側面であった。

以下は全体会議におけるメドヴェージェフ首相による講演の概要である。

デジタル経済は今日すでに存在するもので、しかも政府の命令や個々の企業のイニシアチブによって課せられるものではない。文字通り、また転義的にも、デジタル経済は我々を取り巻く環境である。スマートフォン、モバイル・インターネット、ソーシャル・ネットワーク、e-コマース、電子支払いはすべて、我々の現代のライフスタイルの一部である。データ処理は消費者の挙動の予測に役立ち、市場全体を変革する新しいビジネスモデルの構築にも役立つ。これらは10~15年前には想像すら困難であった。

データは新しい石油であると指摘する声がある。巨大な情報の塊を有益な決定に変えることができる者が勝利する。この事実は、個別の企業や経済の諸部門、また国家全体に対しても当てはまることである。言うまでもなく、(データをめぐる)競争はすでにグローバルな様相を呈しつつある。第1に公衆自身の間の競争があり、第2に従来の企業間の競争、第3に国家間の競争がある。

第1は、新しい技術の波に適応する公衆の能力である。ロシアではデジタル文化の普及に多大な努力をしてきたが、同時にこの作業は、ロシアにとっては他の多くの国以上に困難である。統計によると、75%の世帯がインターネットにアクセスしており、インターネット利用者数では欧州最大である。行政サービス利用者の半数以上がオンライン技術を選択している。しかしながらインターネットへの高速アクセス手段を持たない地方や遠隔地があり、デジタル格差があることを忘れてはならない。また世代間のギャップも考慮に入れる必要がある。これはロシアが抱えている問題であるが他の諸国でも存在している。

デジタル改革は労働市場を大きく変えつつある。ビッグデータ解析、数学モデル作成、金融テクノロジー、サイバーセキュリティを専門とする人材の需要が増えるだろう。他方で、通常の定型的な情報処理の仕事は大きな痛手を受ける可能性がある。新しい状況に人々が適応できるように支援する方法を考える必要があり、すべてのレベルの教育制度がすでに改革の対象になっている。

しかしながら、我々は経済を発展させるためにロシアの知的潜在能力を最大に活用できていない。ロシアのアイデアが実用に耐える技術にあまり転換されていないのである。発明者に関して不足はないが、企業プロジェクトの達成は十分でない。これがロシアの弱点であることは疑う余地がない。このスコルコボを創設したのはそうした理由による。英知を集めたこのような拠点ができるだけ多く存在しなければならない。これが我々の基本的方針であり、革新的な科学技術拠点に関する新立法もその実現に向けて策定された。つい先ほど、サンクトペテルブルグのプーシキン地区に新たなイノベーション・クラスターを構築する決定を行ったところである。

第2は、デジタル変革に対してロシア企業が備えができているかという議論である。デジタル化というのは結局のところ単に生活様式が変化するだけでなく、エネルギー、輸送、機械工学など従来型経済の諸部門における働き方の変化でもある。デジタル化はまた、新しい技術的ソリューションの活用を可能にしている。政府は先ごろ、デジタル経済に関するプログラムとそのための管理システムを採用した。5つの領域(規制、枠組み、教育、研究能力・技術能力の形成、情報インフラ・セキュリティ)で政府と企業間の対話が開始されている。

デジタル化は企業自身の競争力の問題である。ごく最近まで無名であったスタートアップ企業が、今や堅固で厳然としたプレーヤーを市場から引きずり下ろし、より優れたビジネスモデルを示して独自のプラットフォーム・ソリューションを推進することが可能になっている。今後数年のうちに活力のある多くのデジタル企業が現れてくる。これは迅速かつ比較的低コストで達成されるだろう。輸送・ロジスティクス・サービス、医療、教育、金融テクノロジー、スマート都市環境、最新の農業生産などの領域に関してである。

遠隔の地域、病院、学校をオンラインでつなぐ。加えて近い将来第5世代モバイル通信ネットワークの創設を開始する。これはかなりの経費を必要とするので実施面の困難はあるが、これによってハイテク企業の成長のスピードが上がる。このような企業が投資を呼び込めるように、またベンチャーファンドがロシアのスタートアップ企業を支援できるように引き続き条件整備に努める。

第3は、国自身に上記のような変革に対する備えがあるかという議論である。デジタル化は行政や法規制の方法を変える。知的権利や個人情報の保護に関しては多くの課題があり、それらは圧倒的多数のサービスが国境を跨いでいるという特徴を有していることと関係している。企業を規制している法的権限や規則をトレースすることが不可能な場合もある。

技術的変革のスピードにより、規制当局にはより柔軟性が求められている。規制障壁などの障害は少なくすべきである。デジタル化の作業の観点から、新たな規制基準を評価する必要がある。現在見られる規制活動では技術の進歩に後れを取るであろう。しかし規制がなくてもよいということではない。

[DW編集局]