[本文]

国名:
米国
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2017/11/15
抄訳記事公開日:
2018/01/16
元記事の言語:
英語

DARPAによる光・物質相互作用の理論的解明に向けたプログラムの発表

Developing “ABCs” for Exploiting New Phenomena in Light-Matter Interactions

本文:

2017年11月15日付の国防総省(DOD)国防高等研究計画局(DARPA)による標記報道発表の概要は、以下のとおりである。

人為的に作り出された光操作物質は、メタマテリアルまたは構造物質(structured materials)として知られ、光の波長と同程度かそれ以下のサイズの構造要素のパターンが光と強く相互作用することにより機能する。複雑な内部もしくは表面の構造のために現れる新しい特性の中には光や電磁波と物質の間の相互作用に関して長い間理解されてきた “法則”の修正を迫るものもあった。

これらの物質は、イメージング、熱制御、周波数変換を含む多くの分野において電磁波制御の新しい可能性を開いた。期待される用途には、暗視装置、航空機エンジンにおける熱反射および熱管理、宇宙の過酷な高低温環境下における衛星搭載電子機器の温度制御などが含まれる。

研究者はこういった物質の実用化に取り組んでいるが、そのために必要な光と物質間の相互作用をもたらすための最適な構造設計についてはまだわかっていない。こういった知識ギャップを解消するため、本日、DARPAは、新光・物質相互作用(Nascent Light-Matter Interactions(NLM))プログラムを発表した。このプログラムは、これまでに実現されていない全く新しい機能の実現に向けて、光・物質相互作用に関する最先端の知見をさらに拡大していくための理論モデルの開発に取り組むものである。

DARPAのプログラムマネジャーであるマイク・フィディ(Mike Fiddy)は、次のように語った。
・ 近年における光・物質相互作用に関する理解の進展により、現在の特性をはるかに超える特性を持つ新物質の創造を可能とする新しいコンセプトが示された。
・ NLMプログラムは、2次元もしくは3次元構造物質の物理学的理解を深めていくための構成ブロックの特定を目指す。このような物理学的理解の進展は、これらの構造物質による電磁波制御のための体系的な設計アプローチを可能にしてくれるだろう。
・ NLMプログラムの最終的な目標は、「Xという特性を持つ物質が必要なとき、それをどのようにして作ればよいのか?」といった現在はまだ答えにくい疑問に対して対応できる厳密な予測モデルと設計ツールを設計者に提供することである。

NLMプログラムから得られた知見が役に立つと期待されている事例には、次のようなものがある。
・ 赤外線から可視光線への高効率変換を可能にする物質の創製と暗視装置への応用
・ 眼に照射されたレーザー光を自動的にブロックできる物質の設計
・ 航空機エンジンのタービンのような極度に高温となる箇所の精密温度管理
・ 宇宙空間で過酷な温度変化にさらされる人工衛星からの効率的な熱放散

NLMプログラムは次の3段階から構成される。
・第1段階: 新しい現象を予測でき、かつ、設計ツールとしても役立つモデルを開発する。
・第2段階: 開発されたモデルについて、特定の目的に利用可能な新物質を探索する上での実用性を検証する。
・第3段階: 重要課題を抽出し、選ばれたプログラム参加者とその各々の重点事項・応用可能性をDOD関係部局の運用ニーズに結び付ける。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]