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国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2018/02/28
抄訳記事公開日:
2018/04/11

EFIによる研究・イノベーション・技術能力に関する報告書

Verstärkt in Forschung und Innovation investieren

本文:

研究・イノベーション審議会(EFI)が第11回研究・イノベーション・技術能力に関する報告書を提出し、これに関してドイツ連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

28日EFIはメルケル首相およびヴァンカBMBF大臣に11回目となる研究・イノベーション・技術力に関する報告書を提出。同報告書では、ドイツの研究・イノベーション政策に関してポジティブな勢いがあることを確認。同時にデジタル化および生産性の伸びの鈍化等の課題が強調され、さらにハイテク戦略(HTS)を遅滞なく展開させなければならないとした。また同じく、ヴァンカ大臣が提唱するデジタル化教育(DigitalPakt Schule)の迅速な実行および資金負担を評価している。

「ドイツは研究およびイノベーションの分野で傑出しているる。ドイツの繁栄とポジションを堅持するため、連邦および州は今後も教育や研究を優先させなければならない。デジタル教育を強化し、優れたアイデアの実用への移転を向上させ、研究開発投資を力強く継続していかなければならない。」とヴァンカ大臣は語った。

ハイテク戦略は連邦政府のイノベーション政策を支えるものであり、その効果はドイツの強い国際的地位に反映されている。ドイツはEUイノベーションスコアボード(European Innovation Scoreboard)のような国際的ランキングにおいて上位にあり、未来指向のイノベーションシステムを有した国であるとされている。ドイツ企業によるイノベーション支出は2016年も上昇し、約1,600億ユーロと記録的数字となっている。欧州でこれほどのイノベーション支出をしている国は他にない。しかしながら、EFIが指摘するとおり、イノベーション活動を行う企業の割合が減少してきている。連邦政府はこの推移に対処することにしており、将来はこれまで以上に中小企業のネットワーク化および参加に尽力していく。EFIからも要請された応用研究において特別なポテンシャルを有する専門大学の強化も、創造力や企業家精神の振興と同様にアジェンダに取り上げられている。連邦および州の助成イニシアチブ「イノベーティブ大学(Innovative Hochschule)」およびコンセプト「起業のためにより多くのチャンスをー新起業家時代のための5ポイント」によってBMBFは既に大学の新しい技術移転戦略およびアイデア、知識、スタートアップの強化等に向けて重要なレールを敷いている。10ポイント・プログラム「中小企業先行権(Vorfahrt für den Mittelstand)」によってBMBFは中小企業におけるイノベーション力向上に関する助成施策を打ち出している。これによって中小企業に、地域の大学あるいは公的研究機関等との適切なパートナーシップがもたらされ、助成策へのアクセスが容易になり、中小企業をデジタル化、保健領域、持続可能性等の基幹的領域でのダイナミズムに強力に取り込むことができる。

EFIはイノベーション拠点としてのドイツを一層前進させるため、報告書の中で行動分野を明示し、連邦政府に対し、デジタル化、デジタル・キー・コンピータンス、科学システム、基礎研究およびトランスファー、欧州研究イノベーション政策、破壊的イノベーション、自動走行システムおよびAI等の領域における活動を一層強化するよう勧告している。

ヴァンカ大臣は「イノベーション拠点ドイツのダイナミズムを維持していくために、ハイテク戦略を一貫して更に発展させ、総研究開発支出を2025年までにGDPの3.5%へ引き上げる。これは、更に多くの企業にイノベーションを創出するように働きかける場合においてのみ成功することである。これに関しては税的措置による研究開発助成策が必要である。私はこのためEFIが報告書で再度強調した、こうした手段を導入するようとの要請を支持するものである。同時に我々は直面する英国の離脱さらには次の研究基本計画の検討の時期に当たり、強力かつ効果的な欧州研究イノベーション政策にむけて力を注いでいく」と語った。

EFIは2007年から連邦政府に助言を提供しており、研究イノベーション政策に関する科学的な基盤に基づく政策助言を行い、毎年、どのような進歩があったか、そしていかなる行動が可能なのかについて明確にしている。ヴァンカ大臣は、連邦政府がこの評価報告書を綿密に検討し、2018年5月の連邦研究イノベーション報告の中でそれに関する意見を表明すると発表した。

[DW編集局]