[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2018/04/04
抄訳記事公開日:
2018/05/10

NOAA 2018年度予算:気象研究は大幅伸び、気候研究開発は据え置き

NOAA in the FY2018 Omnibus: Weather Research Boosted, Climate R&D Protected

本文:

4月4日付、米国科学振興協会(AAAS)の標記記事の概要は次のとおりである。

2018年度大統領当初予算要求は米国海洋大気局(NOAA)の活動を大幅に削減するものであったが、米議会予算委員会がこれをことごとく覆し、結果NOAAの2018年度裁量予算は前年比2億3,400万ドル(4.1%)の増加となった。中でも、海洋大気研究所(OAR)予算は3,400万ドル(6.7%)の増加となった。

予算増:
₋ 気象大気化学研究は15.6%もの大幅増加。
₋ 海洋、沿岸、五大湖研究プログラムは6.7%増、そのうち海洋技術移転イニシアチブに新たに300万ドル拠出。
₋ 極域観測衛星プログラムは予算案では大幅な削減だったが、結果は逆に9,000万ドルもの増加となり、総額4億1,900万ドルとなった。
₋ 全米気象サービス部門は前年度の1億3,660万ドルに640万ドル上乗せされることとなった。

予算確保、又は前年度並み:
₋ NOAAの気候研究は3年連続横ばい。
₋ シーグラント・カレッジ・プログラムは要求段階の廃止案を免れ、わずかながら200万ドル増加、総額6,500万ドルとなった。
₋ 全米河口研究に対する終了案も議会により覆された。
₋ 環境観測静止衛星と極域観測衛星は共に、予定どおりの予算となり、スケジュールに支障はない。
₋ 要求どおり、第二NOAA研究船クラスAの建設を続行できる7,500万ドルの予算がついた。

これまでのNOAAの研究予算の推移をみると、研究プログラムにより、ここ数年でばらつきがある。気象研究は過去10年で相当の伸びを示しているが、一方で、気候研究は2009年度比で、30.4%削減されている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]