[本文]

国名:
米国
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2018/03/16
抄訳記事公開日:
2018/05/16
元記事の言語:
英語

DARPAが非外科的神経インタフェースの開発プログラムを開始

Nonsurgical Neural Interfaces Could Significantly Expand Use of Neurotechnology

本文:

3月16日付けの国防高等研究計画局(DARPA)による標記記事の概要は以下の通りである。

過去20年間で、国際的な生物医学研究が著しく進展し、人の脳と外部デバイスとの通信を可能にする非常に高度な方法が実証され、コンピュータやインターネットへのアクセスに加え、最近では義肢の制御などのブレークスルーを可能にしている。そして、DARPAはこの研究領域で最前線に立っている。

脳とシステムとのコミュニケーションの最新技術には、特定ニューロンまたはニューロン群との精密かつ高品質の接続を可能にする侵襲的技術が採用されている。これらの技術は、脳傷害やその他の病気の患者を支援してきたが、健常者に使うには不適切である。DARPAは、手術を必要としない高レベルの脳とシステムとのコミュニケーションの達成を目指す新たなプログラム「次世代非外科的神経技術(Next-Generation Nonsurgical Neurotechnology:N3)」を開始した。

DARPAの生物技術室(Biological Technologies Office:BTO)のプログラムマネージャーであるアル・エモンディ(Al Emondi)博士は次のように述べている。「DARPAは、脳の複数のポイントに瞬時に読み書きできる安全かつ簡便な神経インターフェースシステムを構築するためにN3を開始した。」脳波や経頭蓋の直流刺激などの非侵襲的な神経技術はすでに存在しているが、実際の環境下で作業する人々の高度な応用に適応できるほどの精度、信号分解能、簡便性を確立していない。N3の最大の障害は、信号が皮膚、頭蓋骨および脳組織を通過する際の散乱や減衰という複雑な物理現象の解明である。

DARPAは、無人航空機や能動的サイバー防衛システム等の防衛関連タスクで使用される人間と機械の双方向システムの実証を達成するために、4年間に亘ってN3プログラムに取り組む予定である。成功すれば、N3技術は、ヒューマン・マシーン・インタラクションの改善により、将来の軍事作戦において予期される高スピードと複雑さに対応した人間とコンピュータシステムとの連携の分野や、他分野への応用も期待できる。

DARPAは、また、N3の倫理的、法的、社会的側面、そしてそれが軍事作戦だけでなく社会全体にどのように影響するかを積極的に検討する。法律や倫理の専門家が、N3プログラムに助言を行い、N3技術の具体化に伴う開発の方向性についてDARPAを支援する。これらの専門家は、新技術による社会的利益を最大限に引き出す方法について、より幅広い議論を促進するのにも貢献しうる。他方で、N3の技術開発者は、自身の研究開発活動における潜在的な倫理的および法的影響を特定し対処するためのメカニズムを申請書に記載することになっている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]