[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)
元記事公開日:
2018/02/05
抄訳記事公開日:
2018/06/14

ポリシー・ペーパー「先進原子力技術」の公表

Policy paper: Advanced Nuclear Technologies

本文:

ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)の2018年2月5日付標記発表では、政府によるポリシー・ペーパー「先進原子力技術」を公表している。概要は以下のとおり。

先進原子力セクターは英国の産業戦略において重要な役割を果たす可能性がある。それは英国の既存の経済力と原子力における競争優位性を基盤とするが、他方で新たな先進原子力市場を形成し、「クリーン成長グランド・チャレンジ」への対処に資するものである。

「先進原子力技術」は小型モジュール炉(SMR)(開発途上の広範囲の原子炉技術を記述するのに用いられる用語)を包含しており、これら技術に共通の属性は、従来の原子力発電炉より小型で、プラントの大半は工場環境で製造されて現場に輸送できるように設計されている点である。

一般的にSMRは次の2つのグループのどちらかに入る。
・第3世代水冷却小型モジュール炉。既存の原子力発電炉に近いが、より小型である。
・第4世代先進モジュール炉。新型の冷却システムや核燃料を用いて新たな機能(工業プロセス熱など)を提供し、画期的なコスト削減の可能性がある。

しかしながら超小型、小型、中型の規模の原子炉グループには、非常に多様な技術的可能性があり、技術のタイプも従来の水冷却炉から新たな燃料や冷却方式を使用する第4世代炉、さらには核融合炉構想に至るまでの広がりがある。

● 「先進原子力技術」政策

政府は「クリーン成長戦略」で発表したとおり、新規の小型原子炉設計の評価および認可に必要な能力を構築する規制機関に最高700万ポンドのファンディングを行う。またこのファンディングではベンダーと規制機関との間の事前ライセンシングの取り組みを支援する。

政府は2段階の「先進モジュール炉(AMR)プログラム」を通して、先進原子炉を支援するファンディングを行う。最高400万ポンドが配賦される第1段階では、約8社の原子炉ベンダーを支援して技術的・実用上の詳細なフィジビリティスタディを実施する。第1段階で財務省の正式な再承認プロセスを経てファンディング対象として明確な価値ありとされると、さらに最高4,000万ポンドのファンディングが3社~4社のベンダーに支援され、各々の構想の展開促進が可能になる。またこれを支援する規制機関にはさらに最大500万ポンドが用意される。AMRプログラムの管理はInnovate UKが担当する。

● 小型モジュール炉(SMR)コンペティション

2016年3月政府は、技術開発者、公共施設、潜在的な投資家の市場への関心の度合いの測定を目標とするエビデンス収集段階として、第1段階のSMRコンペティションを開始し、2017年12月に締め切った。これにより先進原子力技術市場に関する有益な知見が得られた。

● 小型モジュール炉(SMR)の技術・経済的評価

2015年3月に政府は第三者による小型モジュール炉(SMR)の技術・経済的評価を実施した。

[DW編集局]