[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
内務省
元記事公開日:
2018/02/28
抄訳記事公開日:
2018/06/22

EU離脱後の移行期間中に英国に来訪するEU市民の扱いについて

EU citizens arriving in the UK during the implementation period

本文:

内務省(Home Office)が2018年2月28日付で発表した標記ポリシー・ペーパーの概要は以下のとおり。

英国とEUは、英国のEU離脱後の離脱実行期間(いわゆる移行期間、2020年末までとされている)の条件について、現在協議中である。この実行期間の目的は、英国およびEU全域の市民、企業、公共サービスが将来のパートナーシップに適応するのに必要な新たな準備に要する時間を確保することにある。

協議の中で、離脱合意書の市民権条項は離脱実行期間終了時点をもって適用すべきであるとの提案がEU側からあった。英国が2019年3月29日にEUを離脱して第3国となることを前提とすれば、この提案が正当なアプローチとは思われない。英国のEU離脱後に英国に来訪するEU市民の期待は、EU離脱以前に英国に来たEU市民の期待と同じではない。同様のことは、EU加盟国に移住する英国民についても言える。したがって新たな来訪者が離脱実行期間を超えて滞在を希望する場合の移住に対する権利と道筋について、英国もEU加盟国も定める必要がある。

本ポリシー・ペーパーでは、上記を基礎として、離脱実行期間に英国に来訪するEU市民に適用すべき取り決め(EU市民のその後の英国滞在可能条件を含む)案を次のように提示している。

● EU離脱実行期間における英国への移住
・EU市民およびその家族は、EU離脱実行期間は現行と同じ基盤の上で英国に移住できる。これは離脱合意書を通じて有効となる。この条件は英国民が同期間にEUに移住する場合も同じとする。
・EU離脱実行期間中に英国に来訪し3か月以上滞在するEU市民とその家族の登録システムを整備する。

● EU離脱実行期間後の英国残留
・EU離脱実行期間の終了に備えて、英国政府は新たな入国管理枠組を整備する。
・今後の入国管理の在り方について、英国政府は一定範囲の選択肢を検討する。

● EU離脱実行期間中に英国に来訪し、居住し、登録したEU市民とその家族に対し、英国は次のような条件を付与する
・連続した合計5年間の継続的合法的居住の後、無期限の在留を申請する資格がある。
・離脱実行期間終了後の滞在を可能にする英国法による短期滞在資格が与えられる。つまり英国での仕事、就学、または自給生活での滞在が必要な場合、5年間の合法的滞在が可能となる。
・上記短期滞在資格について、離脱実行期間後の申請に3か月の追加期間による猶予措置が適用される。
・上記EU市民は離脱実行期間後に家族を呼び寄せることができる。
・離脱実行期間中に英国で最先端の仕事をするEU市民に対しては、離脱実行期間終了後の継続許可取得の機会が与えられる。

[DW編集局]