[本文]

国名:
ロシア
公開機関:
ロシア大統領府
元記事公開日:
2018/03/01
抄訳記事公開日:
2018/06/27
元記事の言語:
英語

連邦議会に対する大統領年次教書演説

Presidential Address to the Federal Assembly

本文:

ロシア大統領府の2018年3月1日付発表では、連邦議会に対するプーチン大統領の年次教書演説の内容を伝えている。以下はその中から科学技術・イノベーションに関連する部分を抜粋・要約したものである。

●基礎研究重視の姿勢
ロシアにおける技術開発は基礎研究に深く根差したものでなければならない。ここ数年間に研究の可能性を本格的に拡大することに成功し、いまでは多くの領域で主導権を握っている。ロシア科学アカデミーおよびロシアの主要研究機関がこの達成に大きな貢献をした。

●研究インフラへの支援拡充
研究インフラの展開などのここ数年に達成された進歩を基盤として、ロシアの研究を新たなレベルに引き上げる必要がある。最先端のメガサイエンス研究施設の建設プロジェクトがガッチナやドゥブナといった都市ですでに進行中である。大統領付属科学教育評議会は最近、シンクロトロン粒子加速器をノボシビルスク学術都市に、次世代粒子加速器をモスクワ周辺地域のプロトヴィノに建設する決定を採択した。

上記施設を備えることで、ロシアはその研究インフラの規模と性能において世界の主要先進国の一つになる。このような装置は薬剤、材料、マイクロエレクトロニクスの新規開発などで、ロシアの研究チームやハイテク企業に厳然たる競争優位性をもたらす。

当然のことであるが、このようなインフラおよび野心的な研究プロジェクトが外国から同国人や研究者を呼び寄せないわけがない。これに関して、ロシアで稼働する国際研究チームを可能にする法的枠組みを即座に構築する必要がある。

大規模研究・教育センターが全面的に業務を開始することになっており、大学、学術研究機関、ハイテク企業のそれぞれの可能性が統合される。このようなセンターはカザン、サマラ、トムスク・ノボシビルスク、その他の各都市にすでに設置されつつある。これらセンターでは、ゲノム研究などの有望な分野を含む主要な学際的プロジェクトの実施に焦点を当てることが重要である。この領域における根本的なブレークスルーは、多くの疾病の新たな診断法の開発および予防や治療に道を開くものであり、農業においては品種改良の可能性を広げることになる。

●時代の要請に応える教育の強化
ロシアは数学教育の優位性を強化する必要がある。デジタル経済の時代にあって、このことがロシアに強力な競争優位性をもたらす。国際数学センターがこの作業に向けたプラットフォームを提供している。カザン、ノボシビルスクではすでに稼働している。採択された決定に従い、サンクトペテルブルグ、モスクワ、ソチでも開設される。

最良の実践や経験に基づいて、職業教育の迅速な近代化を図り、特に技術開発の先進領域での学生教育における質的変革を達成し、工学の学位を必要とする職業資格に「応用学士」レベルを設ける必要がある。また、すでに就職している者の技能向上や時代の先を行くような職業の再教育のためのセンターを組織化しなければならない。

●若手人材の育成と呼び込み
外国の優秀な若手人材がロシアの大学に入学する場合の条件を、最も有利で魅力的なものにするよう提案する。このような外国からの秀でた若手人材はすでにロシアに留学しているものの、彼らがロシアの大学を卒業した後ロシアで就労するための条件整備が必要である。この条件は、(学生のみならず)外国人の科学者や資格を有する専門家にも全面的に適用される。

これら外国の科学者達にはロシア市民権を与える手続きの大幅改善が必要と考える。ロシアが必要とする外国籍者、つまり若くて健康で十分な教育を受けている人々を重視すべきである。これらの人々のために簡素化されたロシア市民権獲得制度を設ける必要がある。

[DW編集局]