[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
政府説明責任局(GAO)
元記事公開日:
2018/06/19
抄訳記事公開日:
2018/08/22

連邦政府研究所の特許ライセンス提供の円滑化に向けてGAOが7項目の提言

FEDERAL RESEARCH: Additional Actions Needed to Improve Licensing of Patented Laboratory Inventions

本文:

2018年6月19日付けの米国政府説明責任局(GAO)による標記発表の概要は以下のとおりである。

連邦政府は、年間約1,370億ドルを発明に向けた研究開発に費やしている。政府がこれらの発明の特許を民間企業にライセンスすることで、技術の更なる開発を進め、技術の市場への導入が可能となる。ところが連邦政府機関や研究所は特許取得可能な発明を特定することは困難であると述べており、また追跡システムの不備を挙げる機関もある。官僚制度と特許ライセンス処理に要する期間が企業活動を妨げているとの関係者の指摘もある。これらの課題に対処すべく、GAOは7項目の提言を行った。

● 連邦機関発明のライセンス提供における課題とそれに対処するためにとるべき措置

・研究者らは潜在的に特許取得可能な発明を識別していない
–> 特許取得可能性のある発明を効果的に識別するための研究者に対する研修とインセンティブ付与を実施する

・発明の追跡には不十分なシステムが使われている
–> 他の政府機関システムの特許追跡能力を活用する方法を探る

・ライセンス契約の処理に難点あり
–> 起業のためのプロセスを迅速化するため、研究所全体に特別のライセンス契約を実施する

● 7項目の提言

・商務長官は、国立標準技術研究所(NIST)に対して、本報告書に概説されているような特許ライセンスの一連の課題を漏れなく報告するように指示すること。報告の方法は、例えばNISTによる連邦技術移転担当各局の実態調査、過去の連邦研究機関コンソーシアムによる調査、政府機関の報告書などを活用し、連邦議会への報告にそれら情報を含めることなどによる。

・商務長官は、今後のルール作成プロセスや関連するガイダンスの更新などの適切な手段を通して、特許ライセンスの財務条件の確立と商業利用の促進目的との間の関係を明確にするよう、NISTに指示すること。

・商務長官は、必要に応じて、同等の特許ライセンスでの財務条件に関する情報を各連邦研究機関に提供する目的で、政府機関間の公式な情報共有を促進するようNISTに指示すること。

・国防長官は、各ライセンス特有の財務条件を調整するための柔軟性は維持しながら、ライセンス財務条件を設定するプロセスについて、国防総省またはその研究機関が確実に文書化できるようにすること。

・エネルギー長官は、各ライセンス特有の財務条件を調整するための柔軟性は維持しながら、ライセンス財務条件を設定するプロセスについて、エネルギー省またはその研究機関が確実に文書化できるようにすること。

・米国航空宇宙局(NASA)長官は、各ライセンス特有の財務条件を調整するための柔軟性は維持しながら、ライセンス財務条件を設定するプロセスについて、NASAまたはその研究機関が確実に文書化できるようにすること。

・国立衛生研究所(NIH)所長は、各ライセンス特有の財務条件を調整するための柔軟性は維持しながら、ライセンス財務条件を設定するプロセスについて、NIHまたはその研究所が確実に文書化できるようにすること。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]