[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2018/07/12
抄訳記事公開日:
2018/08/30

DARPAが打上げチャレンジのためのペイロードに関するアイデアを募集

Multiple Launches in Two Weeks: Maximizing Vehicle PayloadIdeas sought for payloads as DARPA Launch Challenge aims to boost emerging industry of small launch providers

本文:

7月12日付けの国防高等研究計画局(DARPA)による標記報道発表の概要は以下のとおりである。

2019年のDARPA打上げチャレンジ(Launch Challenge: 訳注1)において打上げ機の性能を最大限に活用するため、DARPAは宇宙コミュニティからペイロードについてのアイデアを求める情報提供招請(RFI)を公表した。打上げチャレンジへの応募者は、およそ10から500キログラムの重量を低軌道に打ち上げる幅広い能力を有していることが見込まれている。

DARPAのトッド・マスター(Todd Master)プログラム・マネジャーは次のように述べている。「今回のRFIは、打上げサービスを求める宇宙機開発者と打上げチャレンジ応募者の双方にとって有益な取り決めにつながるような潜在的なペイロードを募るものである。打上げチャレンジは、これらのグループを結びつけ、今後18か月以内にペイロードを軌道に投入するための打上げ機を提供する。」

打上げチャレンジの目標は、小規模な打上げサービスを提供する新興企業にインセンティブを与えることである。このチャレンジにより、こうした企業は柔軟性(どこからでも打ち上げることができる)と迅速性(いつでも打ち上げることができる)の実証を兼ねてペイロードを低軌道に打ち上げることができる。

打上げチャレンジは、国防総省において新たに発生しつつあるニーズに対応するための、新しく画期的な能力を実証することを目指している。

ペイロードとしては、計測器を取り付けたマス・シミュレータから完全な機能を備えた宇宙機まで様々なものがあり得るし、複数のキューブサット級のような小型の宇宙機から成るペイロードを一つのインターフェイスで打上げ機に搭載して軌道上で引き渡すこともあるだろう。その他に、関心の高い、重要な情報には以下のものが含まれる。

・有用な商業的または軍事的なミッションに結びつくもの
・低軌道での運用のために望ましい軌道
・幅広い軌道(高度及び傾斜角)からのミッション性能
・打上げ機における幅広い環境条件に対する頑健性

「DARPAからの賞金に加えて、成功裏に軌道に投入すれば、打上げサービス提供者(出場者)に対し打上げ費用の一部あるいは全額が支払われることもインセンティブの一部となろう。」とマスターは述べた。

ペイロードの提供者は打上げ機の応募者にハードウェアを直接提供し、両者間の搭載要件についてはDARPAまたはその請負機関が支援する。打上げチャレンジの最終段階としては、米国内の異なる2地点から1回ずつ、合計2回の打上げ競争が数週間以内に行われることが想定されている。

RFIに応募して提供された情報は、打上げチャレンジにおいて利用可能な潜在的なペイロードを決定するために用いられる。応募の締め切りは2018年7月27日である。

(訳注1)DARPA打上げチャレンジ:ペイロード、投入軌道、打上げ地点に関する事前の情報なしに、ごく短い準備期間でペイロードを打ち上げ、軌道に投入する能力を実証することを目的とするプログラムで、本年4月18日にDARPAから発表された。2019年の終わりに、打上げサービス提供者の中から選考を通過した者による打上げ競争を行う。一等賞金は1,000万ドル。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]