[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2018/08/07
抄訳記事公開日:
2018/09/28

NASAが「2013~2022年惑星10年調査」の優先事項の実現に向けて前進

NASA Makes Progress Toward Science Priorities Outlined in 2013-2022 Planetary Decadal Survey

本文:

8月7日付けの全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による標記記事の概要は以下のとおりである。

NASEMは、米国航空宇宙局(NASA)の「ビジョンと航海:2013~2022年惑星10年調査(Vision and Voyages for Planetary Science in the Decade 2013-2022)」の中間評価を行い、その報告書を取りまとめた。同報告書は、予算の大幅削減にもかかわらず、NASAは「10年調査」で設定した目標を満たす目覚ましい進展を遂げたと述べている。また、NASAが「10年調査」の研究分析の資金確保や技術プログラムにおいては目標以上の成果を上げているものの、ニューフロンティア計画とディスカバリー計画(New Frontiers and Discovery missions)では予定スケジュールを達成していない。「ビジョンと航海」で提言された予定スケジュールを達成するためには、少なくともニューフロンティア計画の1つとディスカバリー計画の3つを2022年終わりまでに選択する必要があると指摘している。

本中間評価報告書は、これまでのNASAの進展状況を評価し、大型戦略ミッション、火星探査プログラム、望遠鏡と惑星科学、教育とアウトリーチ活動などのカテゴリーに基づいて、次の10年間の調査準備のため、以下のような勧告を行っている。

・エウロパ探査計画「Europa Clipper」が承認されたライフサイクルコスト内で実行可能であることを確保するためコストとスケジュールを厳重に監視し続けること
・マーズ2020計画で得られたサンプルを持ち帰るための「集中・迅速」構想を計画し、実施し始めること。
・現在、マーズ2020における探査ローバーしか今後のミッションに計画されていない、火星探査プログラムを再評価すること。
・引き続き、NASA惑星科学部門の予算の6%から8%を、計画を実現しうる技術開発に投資すること。
・教育およびアウトリーチ活動をこれらのプログラムに科学コンテンツを提供しているミッションとリンクさせ、NASA科学者・技術者とも直接働きかけて、NASAミッションの成果との強いつながりを確保すること。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]