[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2018/07/13
抄訳記事公開日:
2018/10/23

上院が、過去最高の連邦研究開発予算を提出

In Senate, Research Spending Lined Up for New High

本文:

7月13日付けの米国科学振興協会(AAAS)による標記記事の概要は以下のとおりである。

AAASの積算では、6月末の上院歳出委員会の国防・労働、保健福祉、教育支出法案で提案された2019年度の連邦研究開発費は、850億ドルを超えて過去最大となった。これまでの最高額は、2009年度の826億ドル(インフレ調整後)であるが、その年は金融危機の真っ只中であり、連邦議会はAmerican Recovery and Reinvestment Act(米国再生・再投資法)を制定し、156億ドルの追加研究開発費を計上している。

基礎および応用研究の予算は前年度比で2.4%増加すると推定され、裁量支出全体は3%の増加が見込まれる。2019年度の研究開発費の対GDP比は、0.41%(過去40年の平均は0.39%)となる。

上院予算では、特に基礎研究費が増額され、5%増加する。国立衛生研究所(NIH)、エネルギー省(DOE)科学局、国立科学財団(NSF)、米国航空宇宙局(NASA)科学ミッション局、そして、国防総省(DOD)は、少なくとも2.9%の増加となる。例えばDODの基礎研究プログラムは、DODの予算要求を上回る28億ドルで、19.4%増の4億5,500万ドルの増加となる。

歳出委員会は順調に運営されてきているが、まだ道半ばであり、現在まで承認された予算案はない。今週予定されていたエネルギー等に関する最終法案の審議も突然、延期となった。これらの研究開発予算は比較的取り扱いやすいが、今後、立法府は重要な医療福祉や環境関連予算において大きな難問に直面する可能性がある。これらの予算では意見が対立し議論が白熱する傾向にある。

連邦議会の指導者たちは、1996年以来初めて10月1日までに予定通りに歳出予算を確定すべく全力を尽くしている。しかし、中期選挙等が差し迫っている中で、立法府は部分的な政府機関の停止を避けるために継続予算決議を採択せざるを得ないかもしれない。また、何よりも最大の懸念材料は、トランプ大統領と彼の拒否権である。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]