[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
政府説明責任局(GAO)
元記事公開日:
2018/09/05
抄訳記事公開日:
2018/11/02

GAOがNSFに対してローテーター活用の戦略立案と評価実施を勧告

NATIONAL SCIENCE FOUNDATION: A Workforce Strategy and Evaluation of Results Could Improve Use of Rotating Scientists, Engineers, and Educators

本文:

9月5日付けの政府説明責任局(GAO)による標記記事の概要は以下のとおりである。

GAOが、米国科学財団(NSF)におけるローテーター(任期付の外部科学者、技術者、教育者)の監査を行い、関連報告書を取りまとめた。NSFはローテーターの活用に伴う潜在的な利益と課題を特定しており、その利点としては、新鮮な視点や科学コミュニティとの密接なつながりがあげられ、課題としては、職員の離職率や、正社員と比較して一部のローテーターの高い人件費があげられていた。これに対し、GAOは、NSAのIPA(Intergovernmental Personnel Act)ローテーターおよびVSEE (Visiting Scientist, Engineer, and Educator)ローテーターの活用および管理について検討するよう求められた。

米国科学財団(NSF)におけるローテーターは他の職員と比して、その数と経費において2008年度から2017年度まで比較的安定していた。ほとんどのローテーターは、IPAローテーターであり、NSF職員数の約12%、NSF人件費の17%を占め、連邦給与上限枠の対象にはなっていなかった。IPAローテーターは出向元政府機関の職員であることから、NSFはローテーターの給与と福利厚生費の大部分をそれら機関に支払っている。残りのローテーターは、VSEEプログラムにより雇用されている連邦政府臨時職員と考えられ、その給与は連邦給与上限枠内であった。

2017年度からNSFはIPAローテーターの経費管理戦略を導入し、採用への影響を最小限にしつつ最大の経費削減の達成を目指したが、NSF関係者によると全体の成果を結論付けるには時期尚早とのことである。さらに、NSFはGAOに対して、2018年12月に本戦略の評価報告書を発行する予定であると述べている。2018年6月現在、NSFはGAOによる「効果的な戦略的人事計画のための重要原則」に対応するための、経費管理戦略の策定もIPAおよびVSEEローテータープログラムの結果の評価も行っていない。これに対し、NSFは人事戦略の重要性は認識していたが、他の人事計画の取り組みに焦点を当てていたと述べ、プログラム結果を完全には評価していないと述べ、また、NSFは、ローテーターは常勤職員と混在しており、独自評価が困難であると述べた。

このため、GAOはNSFに対し次の事項を勧告し、NSFは本勧告に合意した。
・ローテーターと常勤職員間のバランスをとるための機関戦略を策定すること。
・NSFの人的資本目標の達成やプログラムの成果に向けてローテータープログラムが果たした貢献を評価すること。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]