[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)
元記事公開日:
2018/08/02
抄訳記事公開日:
2018/11/19

2017~2021年の研究・イノベーション・ファンディング予算

Research and innovation funding allocation: 2017 to 2021

本文:

ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)は2018年8月2日付で標記報告書を発表した。現行の財政予算において、科学、研究、イノベーション予算の配分方針を示したものである。概要は以下のとおり。

政府は、英国が世界で最も革新的な経済大国でありたいとの期待の下に、産業戦略を通じて、2027年までに研究開発にGDPの2.4%を投資するという目標の達成を約束している。

政府は、目標達成のための第一歩として、国家生産性投資基金(NPIF)の一環として5年間(2017~18年から2021~22年)に亘り、研究開発に70億ポンドの追加投資を行うことを発表した。これにより、研究開発への公的投資は、2016~17年の年間約95億ポンドから2021~22年には年間約125億ポンドに増加する。研究開発への公的ファンディングとしてはこれまでで最大の増加である。

2017年高等教育研究法(HERA)に従い、またポール・ナース卿(Sir Paul Nurse)が研究会議のレビューで提示した提案に基づいて、英国研究・イノベーション機構(UKRI)と称する新しい非省庁公共機関(NDPB)が2018年4月1日に運用を開始した。これは、Innovate UKを含む各研究会議と、イングランド高等教育資金会議(HEFCE)の研究・知識交流機能を、1つの組織にまとめたものである。

● 予算の財源は次の4つである。本報告書ではこれらの財源から、UKRI、そしてBEISが管理するより広範囲の機関等に対する予算配分を示している。

・研究・イノベーション予算
政府による科学、研究、イノベーション支出の大部分を占める。最先端研究施設の運営コストを賄うだけでなく、国際協力の促進、大学院教育、公共的関与、知識移転、その他の主要研究活動の支援を目的として実行機関に配分される。イノベーション予算は、新技術の実用化や実用的アイデアの新規開発支援により、生産性向上と成長を目指す企業を支援することを目的とする。

・生産性投資国家基金(NPIF)
2016年秋の予算編成方針において、NPIFにより2017年~18年から2021年~22年にかけての政府全体の高価値投資に310億ポンドが追加されることが発表された。これには、科学技術・イノベーションの世界的リーダーとしての英国の地位を高め、産業戦略を通じて生産性と成長を促進するべく、財務省からBEISに割り当てられた70億ポンドが含まれている。NPIFは、産業戦略チャレンジ基金(ISCF)、戦略的優先課題基金、その他プログラムの3つのテーマに分かれている。

・ODA (政府開発援助:地球規模課題研究基金(GCRF)およびニュートン基金)
政府は国民総所得の0.7%をODAに配分すると約束している。

・科学インフラ資金
政府は2015~16年から2020~21年の間に科学インフラ資金に69億ポンドの支出を約束している。

● UKRI、その他の機関に対する研究・イノベーション予算の配分額(年度別、単位は百万ポンド。2020~21年度の研究・イノベーション予算は未確定のため含まれず)、いずれも、NPIF、ODA、科学インフラの財源からの配分額を含む。

・UKRIへの配分額

6,381(2017~18年度)、6,819(2018~19年度)、6,994(2019~20年度)、2,123(2020~21年度)

・その他(英国宇宙庁、国立アカデミー、公的研究施設、BEISプログラム)への配分額

1,129(2017~18年度)、1,091(2018~19年度)、1,164(2019~20年度)、814(2020~21年度)

・UKRI分とその他の機関分を合わせた配分額の総額(2018~19年度以降の追加配分額を含む)

7,511(2017~18年度)、7,982(2018~19年度)、8,614(2019~20年度)、4,125(2020~21年度)

[DW編集局]