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国・地域名:
オランダ
元記事の言語:
英語
公開機関:
オランダ科学研究機構(NWO)
元記事公開日:
2018/04/12
抄訳記事公開日:
2018/12/12

2019年から2022年にかけてのNWOの新戦略

New NWO-strategy 2019-2022

本文:

オランダ科学研究機構(NWO)の2018年4月12日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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2018年4月12日、オランダ科学研究機構(NWO)は、2019年から2022年にかけての新戦略を発表した。この戦略計画には、今後数年間でオランダの研究の科学的・社会的な影響力をさらに高めることを目的としたNWOの5つの抱負が記されている。これには研究界内部および研究界と社会の結びつきを強化するための効果的な仕組みが必要となる。

NWOが過去数年の間に経験してきた移行は、こうした方向を目指した最初のステップである。今回の戦略計画により、NWOは第二ステップに入り、研究界や社会の進展を柔軟に、また毅然と予測することが可能になる。

全国的な研究戦略を展開できるよう、NWOは国家研究アジェンダを定期的に更新するなど、オランダの研究界における調整作業を拡大していく。国家研究アジェンダでは、テーマ別の研究と好奇心主導型の研究のバランスを維持する。科学分野では自己組織化を推進し、研究のプログラム作成、および実現面における社会的当事者や一般市民の確実な巻き込みを進める意向である。また、今後も引き続き、海外、特に欧州の科学政策との連携を率先して進め、科学外交にも積極的に貢献していく。

NWOは、オランダの研究者が各自のキャリアのあらゆる段階で継続的に成長できるよう、例えば有名なタレント・スキーム(Talent Scheme)(Rubicon、Veni、Vidi、Vici)には、単独もしくはチームによる研究かにかかわらず、優秀な研究者が各自の研究を長期的に続けられるようにするための手段を補う。また好奇心主導型の研究を対象としたNWOのオープン・コンペティション(Open Competition)は、モジュール式の構成となる。

卓越性とイノベーションの土台となるのは基礎研究であることから、好奇心主導型の研究と基礎研究はNWOにとって今後も力を注ぐべき重要な要素であり、リスクの高い先駆的な研究のためのプログラムも策定される。NWOは、基礎研究や戦略的研究、実践志向型の研究、応用研究が互いに連携できるよう広範なナレッジ・チェーン・アプローチが可能な、研究分野全体にわたるチーム研究や協力にこれまで以上に力を入れていく。これらのプログラムでは、研究とは無関係な当事者も研究の実現に参加する機会を得ることができる。

NWOは、利用者との協力を拡大することで知識の共有を促したいと考えている。これに関しては、NWOの様々なユニットの経験を活かすことができる。応募者には、各自の研究が社会に与える可能性のある影響について予め熟考しておくことが求められる。また研究機関と企業の間に協力関係を成立させることを目的としたIndustrial Doctoratesプログラムも拡大される。これと同様に、公共部門のパートナーとの協力関係を成立させるためのSocietal Doctoratesプログラムも策定される。さらに概念実証助成金も定められるため、研究者は、それまでNWOの資金供与を受けていた研究の社会的可能性を探ることができるようになる。

[JSTパリ事務所]