[本文]

国名:
米国
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2018/10/16
抄訳記事公開日:
2018/12/18
元記事の言語:
英語

NASEMが太陽光反射研究の調査検討を開始

National Academies Launching New Study on Sunlight-Reflection Research

本文:

10月16日付の全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による標記報道発表の概要は以下のとおりである。

NASEMは、太陽光を反射して地球の温度を下げる気候介入戦略のための研究アジェンダの作成と研究ガバナンスアプローチを検討するために新しい委員会を設置する。

地球の温度上昇に歯止めをかけるという挑戦がより困難に直面していることに伴い、太陽光が地球に達してそれをさらに熱くする前に宇宙に反射するように大気や雲を改変することによって気候変動を抑制しようというアイデアがますます注目されるようになった。しかしながら、「太陽光地球工学」とも呼ばれるこの分野の研究について、連邦政府は詳細な研究アジェンダを有していない。また、米国や他の国のいくつかの研究チームがそれぞれの実験を進めつつあるが、そのような研究を管理するプロトコールについて合意されたものはない。

新しい委員会は、この問題に関する2015年のNASEM報告書を基に、研究のニーズと研究のガバナンスについて順次検討する。委員会では、海洋上の雲の白色化、成層圏エアロゾル注入、巻雲の改変を含む、大気への介入を伴う戦略に焦点が当てられる。委員会は、これらの介入の技術的実現可能性だけでなく、その潜在的な影響やリスクを検討するとともに、国際社会、国、国以下の規模での研究ガバナンスの仕組みを探求する。「気候変動に関する政府間パネルの最新の報告書に記述されているように、気候変動問題の緊急性は、これらのアプローチの実行可能性を深く検討してみることが極めて時宜にかなっていることを示している。」と、2015年の報告書を作成した委員会の委員長を務めた、全米科学アカデミーのマルシア・マクナット総裁は述べている。

破滅的な気候変動を緩和するための時間はなくなりつつある。気候介入戦略は温室効果ガスの排出を抑制する行動を代替するものではないが、太陽光反射のような介入は将来検討される必要がある。しかしながら、まず、我々は、これらの介入について、より注意深く検討し、フィールド実験を管理するための最善の方法を定める必要がある。

この委員会の委員は年末に任命されることになっており、現在推薦を受け付けているところである。委員会の最初の会合は来年初めに開催され、検討の参考とするために2回の公開ワークショップが開催される予定である。委員会の報告書は2020年の前半に発行される。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]