[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
研究・イノベーション総局
元記事公開日:
2018/06/07
抄訳記事公開日:
2018/12/19

Horizon Europe欧州委員会案についてのモエダス委員の説明

Horizon Europe will connect the public to European science – Carlos Moedas

本文:

6月7日付けの欧州委員会(EC)研究・イノベーション総局による標記記事の概要は以下のとおりである。

Horizon Europeとして知られている次期欧州科学研究ファンデイングプログラムは、人々と税金の支援を受けた研究の成果を結び付け、イノベーション支援により課題を解決することを目的として策定されている。欧州委員会で研究・科学・イノベーションを担当するカルロス・モエダス委員はHorizon Europeについて次のように述べている。

Horizon Europeの枠組み
Horizon Europeの欧州委員会案では、既存プログラムのHorizon 2020との継続性を維持しつつ、イノベーション推進のための欧州イノベーション会議(EIC)の設立や課題解決型研究(mission-oriented research)の導入といったいくつかの新しい要素も取り入れている。これらはこれまで欧州が弱かったイノベーション創出を強化するためのものである。他方、欧州は、基礎研究においては世界一であり、継続して強化していく。

EICの資金配分
EICはトップダウンではなくボトムアップの方法でイノベーションに対する資金配分を行う。EICは起業家に寄り添い、彼らをメンタリングし、資金支援だけでなく、彼らの活動をフォローアップし、必要なデータを提供していく。

ミッション
ミッションの概念は、欧州科学研究が行っている事と人々との間のコミュニケーションの改善である。例えば、脳マッピングと言う代わりに、我々のミッションはアルツハイマー病や認知症などの疾病の治療であると説明するなど、人々が我々の研究を理解し易くするものである。ミッションはあくまでもHorizon Europeの一部であり、Horizon Europeと人々を結び付ける手段である。

Horizon Europeの予算額
本プログラムでは英国を除く27カ国分の拠出で1,000億ユーロを提案する。なお、Horizon 2020における27カ国分の拠出額は670億ユーロであったので、絶対額において過去最大の増加である。欧州研究会議(ERC)の予算額は、130億ユーロから170億ユーロへの増加を提案している。EICの予算額は105億ユーロである。

英国の位置づけについて
英国は第三国としての位置づけになる。EUと英国の包括的な合意がなされる場合には、研究・イノベーションにおける連携の合意も可能である。

[DW編集局]