[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
元記事公開日:
2018/10/23
抄訳記事公開日:
2019/01/10

フレデリック・ヴィダル大臣が研究の優先課題を設定

Frédérique Vidal trace les priorités en matière de Recherche

本文:

2018年10月23日付高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記発表の概要は以下のとおり。

フレデリック・ヴィダル大臣はこのほど、エコール・ノルマル・シュペリウールのパリ・サクレー校を訪問し、フランスの研究政策が、基礎研究の支援、主要な社会的課題に対処するための研究者の動員、大学と研究機関との間のパートナーシップの強化という原則に基づいていることを、改めて強調した。この大原則は、大臣が今後も継続し拡大を望んでいる強力な政策的取り組みに対応するものである。

基礎研究向けの支援強化により、研究に配分される予算が増加した。2019年は、研究に配分される予算は、大型投資計画(Grand Investment Plan)の予算を考慮しなくても、2017年比8%増加し、69億ユーロとなった。この取り組みにより、次の2つの強力な措置がとられることとなった。

・2018年に開始され、2019年に更新された人文社会科学向けの500万ユーロを含む、2,500万ユーロの研究室支援措置は、総額で5,000万ユーロに達する。
・国立研究機構(ANR)の予算の見直しが実施された。ANRの支出予算は2億2,000万ユーロ(34.4%)増加した。 認可投資額は2019年に3,300万ユーロ増加し、2年間で6,500万ユーロ(9.3%増)増加した。これらの予算は、大学や研究機関の優秀な研究プロジェクトの支援に役立っており、大臣はこの活力を今後も継続し、拡大したいと考えている。

共同研究ユニットを通じた研究機関の関与により、大学周辺で組織される地域のエコシステムを強化することで、研究・イノベーションの観点からその特質を発展させる。

国立情報科学・自動化研究所(INRIA)主導の人工知能プログラムや国立科学研究センター(CNRS)主導の「素晴らしい地球を取り戻そう(Make our planet great again)」プログラムのような、科学界全体のプログラムの統括を通じた研究機関の国家的な使命の強化は、将来の社会的課題に対処するための明確な優先課題を設定することで達成される。それらの課題は、優先研究プログラムに反映される。

例えば、農薬の代替手段を開発するために、いくつかのプログラムがすでに開始されている。さらに、いくつかの新規優先プログラムが今後数ヶ月のうちに開始される予定である。そしてこれには将来に向けて科学的卓越性を確保する必要があり、CNRSは2020年までに博士課程学生を新たに300人採用予定である。これらの若手研究者がCNRSと大学が共同運営する研究室を強力なものにしていく。

Horizon Europeプログラムの一環として、欧州規模でのフランスの政策と実施策を計画する。世界最大の研究プログラムであるこのプログラムは、現在の欧州において極めて重要である。しかし、現時点では、フランスの関係機関は欧州のプログラムに十分な投資をしていない。大臣は、今後数ヶ月間にそれを是正する作業に取り組む。

[DW編集局+JSTパリ事務所]