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国・地域名:
南アフリカ
元記事の言語:
英語
公開機関:
南アフリカ国立研究財団(NRF)
元記事公開日:
2018/05/22
抄訳記事公開日:
2019/01/11

新たな変革的アプローチを通じたSDGsの達成に向けて

International Partnership in Transforming Innovation to Meet SDGs with New Transformative Approach

本文:

南アフリカ国立研究財団 (NRF)の2018年5月22日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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持続可能な開発目標(SDGs)で具体化された目標の達成に貢献するため、科学技術イノベーション(STI)に対する新たな視点に重点を置いた変革的取り組みのための5年にわたる画期的なプログラムが始動した。

サセックス大学の科学政策研究所(Science Policy Research Unit:SPRU)が調整役を務める変革的イノベーション政策のためのコンソーシアム(Transformative Innovation Policy Consortium:TIPC)は、北の先進国と南の開発途上国の研究者、イノベーション関連機関および政策立案者を結びつける役割を果たしている。彼らは、SDGsを達成するため、STIと国連の2030アジェンダのこれまでの関係を変えようと協力することで一致している。

17番目のSDG「パートナーシップで目標を達成」をふまえ、TIPCは、2018年5月17日、変革的取り組みのプログラムをスタートさせ、この重要な国際戦略的パートナーシップの存在をアピールした。

1年間の試行期間を無事終えたこの5年にわたるプログラムは、STIに関し、社会と環境への影響を無視したり、後回しにしたり、犠牲にすることのない戦略とシステムを形作ることを目指している。産業の先進性、グローバリゼーション、および経済成長が進歩の唯一の尺度とされている現在のSTI政策へのアプローチは、一部の人々には繁栄をもたらしたが、地球とそこに住む多くの人々に対しては不平等と環境破壊という深刻な傷跡を残した。

TIPCの取り組みは、これまでにない条件とアイデアによって社会を再生させ、新たな試みに挑戦するという新しい方向に移行する。今回のパートナーシップは、関係者が力を合わせ、ツールや技術によって理解を新たにし、変革的イノベーション政策(TIP)を策定することを目的としている。取り組みの中心となるのは、実験、評価とその指標、能力育成とトレーニング、および学術研究である。TIPCは、“通常のビジネス”や“平凡な研究”、“ありふれた開発”を行う場ではなく、これまでにはないビジネス、政策立案、パートナーシップ、方向性、成果を追及していく、としている。

現在、コンソーシアムのネットワークに参加しているのは、南アフリカ国立研究財団(NRF)、南アフリカ科学技術省(DST)、コロンビア科学技術・イノベーション管理局(Colciencias)、スウェーデン・イノベーション・システム庁(Vinnova)、フィンランド大使館商務部、メキシコ国家科学技術審議会(CONACYT)およびサセックス大学の科学政策研究所(SPRU)である。中国、ノルウェー、ブラジルおよびパナマでは共同プロジェクトが進められており、2018年後半には他の国々もこのコンソーシアムに参加すると見込まれている。変革的イノベーションに取り組む政策立案者と研究者、実務家によるネットワークは、より迅速かつ本質的な変革を可能にし、これを実現するため、SDGsの達成を目的としたSTIに関する各国の目標や知識、研究成果を相互に結び付け、力強い成長を続けている。

[JSTパリ事務所]