[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2014/04/09
抄訳記事公開日:
2014/05/30

極低温原子を用いた量子シミュレーションに重大なブレークスルー

我国超冷原子量子模拟研究获重大突破

本文:

2014年04月09日付の「中国科学報」ネット版は極低温原子を用いた量子シミュレーションで重大なブレークスルーを実現したと報じた。本記事ではその概要をまとめる。

このほど、中国科学技術大学の潘建偉教授と同僚たちは清華大学の翟薈グループと提携し、人工でスピン軌道相互作用を持つ極低温Rb(ルビジウム)原子ボーズ気体を合成した上、初めて有限温度におけるスピン軌道相互作用を持つボーズ気体の相図を確認した。これは、中国が極低温原子を用いた量子シミュレーションの実験領域で一定の地位を占めるようになったことを示している。

研究者はラマン技術を利用し、人工でスピン軌道相互作用を持つ極低温Rb原子ボーズ気体を合成した。システムの温度を調整することによって、初めてスピン軌道相互作用によるボーズ=アインシュタイン凝縮(BEC)の転移温度の変化を観察した。科学者はこれらの現象を基に、有限温度におけるスピン軌道相互作用を持つボーズ気体の相図を比較的完全に描き出した。

当該発見は、軌道相互作用を持つボーズ気体の基本特徴をよりはっきり把握することに役立ち、極低温量子気体が相互作用効果及び熱力学効果で起こる物理現象を解明し、極低温原子を用いた量子シミュレーションで重大なブレークスルーを実現し、量子シミュレーションの重要性を十分に示した。

[JST北京事務所]