[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
報道センター
元記事公開日:
2015/03/03
抄訳記事公開日:
2015/03/17

EU後援の国際会議『エボラ出血熱:緊急対策から復興へ』が開催

From emergency to recovery: EU mobilises efforts to end Ebola and alleviate its impact

本文:

欧州委員会は、2015年3月3日に標題のプレスリリースを発表した。以下にその概要を紹介する。
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本日、『エボラ出血熱:緊急対策から復興へ』(“Ebola: from emergency to recovery”)と題するEU後援の会議がブリュッセルで開催される。国際的な取り組みによって、この数ヶ月のエボラ出血熱感染者数は減少してきたが、引き続き新たな感染者急増を防ぐための努力を続けていくことが非常に重要である。本日の会議は、国際的に協調した取り組みを継続し、現在の大流行とエボラ出血熱ウィルスそのものに打ち勝つための次のステップを計画することを目指している。

本会議では、EU、ギニア・リベリア・シエラレオネの大統領、国際連合、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)が共同議長を務めている。つまり、エボラ出血熱感染者数を減少からゼロにするために必要な取り組みと、今回の大流行により被災国の国民と経済が受けた深刻な打撃からの回復を支援する方法を検討する上で、必要な全ての国際的な主要関係者が一同に会していることになる。

本日の会議では、これまでの進捗の振り返りと、以下の取り組みに関する具体的なステップの概要が提示される予定だ:
・エボラ出血熱感染者がなくなるまで、すでに約束されている資金援助の利用を確保すること、及び、国際援助(医療チーム、研究所、疫学者、研究活動など)を継続すること。
・より機動的で柔軟な対応をとっていくこと。
・地域的な協力を推し進めること。
・西アフリカ諸国の予防・封じ込め・態勢整備の取り組みを援助し、今後の感染症の発生では今回のような壊滅的な影響が出ないように支援すること。
・感染の影響を受けている国々に、感染予防対策を強化した医療制度を構築し、国際保健規則を遵守する能力を構築すること。
・感染の影響を受けている国々のガバナンスとアカウンタビリティを改善すること。

復興の優先度の高い分野には、基本的なサービス(健康・教育・上下水道)の再開や改善が含まれる。また、持続可能な経済発展の軌道に戻る必要もある。本日の会議で、ギニア・リベリア・シエラレオネの各国政府はそれぞれの事前評価と復興計画を発表する予定だ。

なお本イベントで、国際協力開発担当のEU委員のMimica氏が、新しい”EU移動研究所”(EU mobile laboratory)についてプレゼンテーションを行う予定だ。それは、西アフリカに運び込まれた巨大なトラック研究所であり、非常に危険な病原体の分析・診断を行う現地の専門家をトレーニングするための施設である。

<背景>
・今回のエボラ出血熱大流行に対するEUの資金援助総額は120億ユーロ超であり、加盟国と欧州委員会の資金の合計である。
・欧州委員会は、すでに4億1,400万ユーロを超える資金を活用して、応急対策・緊急エボラ研究・長期支援などを行っている。

[DW編集局]