[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2015/03/31
抄訳記事公開日:
2015/05/11

第7次枠組みプログラム(FP7)の最終報告書 要約

Seventh FP7 Monitoring Report

本文:

2015年3月30日に、欧州の第7次枠組みプログラム(FP7)の最終報告書がウェブ上に公開された。欧州委員会の研究・イノベーション総局により作成された本報告書は、FP7への参加パターン、FP7のマネジメント、FP7の個別プログラムに関連したトピック、FP7を通じての成果、などについて述べている。本記事ではその概要を紹介する。

1. FP7への参加パターン
・ FP7の規模は、その参加数に顕著に表れている。7年間のプログラム期間で、487件のプロジェクト公募に対して、13万6,000件の提案の申込があり、それには60万1,000以上の申請団体及び個人が関わっている。平均採択率は約20%であった。
・ 2007年から2013年までに採択されたプロジェクト提案の総事業費の合計は、629億ユーロであり、それに対応したEUへの助成金要望額は、417億ユーロであった。
・ 2013年のプロジェクト公募の半数以上は、”Cooperationプログラム(国際共同研究プログラム)”として実施された。高等・中等教育機関(HES)は、申込数およびEU助成金申請額の両面で、2013年のFP7の主要な受益者となった。
・ 中小企業は、2007年-2013年に助成を受けた産業組織全体の46%を占める。2013年において、助成を受けた全参加者の18.6%がSMEであった。2007年-2013年の期間にFP7に参加したSMEへの平均EU助成額は、25万9,772ユーロであった。
・ 上位50のHES組織は、12カ国を代表している(10加盟国、2連携国)。代表数が最も多い国は、英国(14組織:以下同じ)、オランダ(7)、ドイツ(6)、スウェーデン(5)となっている。
・ 上位50の研究機関は、16カ国を代表している(12加盟国、3連携国)。代表数が最も多い国は、フランス(9組織:以下同じ)、イタリア(6)、ドイツ(6)、オランダ(5)となっている。

2.FP7のマネジメント
・ FP7の是正・倫理審査の手続き全体において、3,683件の是正要求が出されたが、そのうち10件のみが再調査の実施に至った。なお、今までのところ2,094件の倫理審査が実施されたが、中止に至ったプロジェクトはない。
・ FP7全体で助成金の申請締め切りから交付までにかかる期間の平均は313日であり、以前よりも改善されてきている。

3.FP7の個別プログラムに関連したトピック
・ マリー・キューリーアクション(MCA)において、FP7全体で約5万人の研究者が助成金を受けた。彼らは、約140の異なる国籍に属し、およそ80カ国以上の機関から来ている。MCAメンバーの24%近くが、第三国出身の研究者である。さらにFP7のプロジェクト期間全体にわたって、本プログラムは、1万人以上の新たなPhD候補生に対して構造化された博士課程のトレーニングを提供してきた。
・ 2013年末までにFP7全体で、127件の”リスク共有金融機能”(Risk-Sharing Finance Facility :RSFF)の実施が欧州投資銀行(EIB)により承認され、その総融資額は162億ユーロであった。また、EIBは、114 件のRDI(研究開発イノベーション)プロジェクトに対する融資も決定し、その総融資額は128億ユーロであった。RFSSの融資事業への参加率は、25カ国へと着実に上昇してきている。
・ 2013年の企業向けプログラムにおけるEUの中小企業への助成比率は、目標の15%を再び超えて、16.8%(46億ユーロ相当)となった。FP7の企業向けプログラム全体では、SMEを助成した予算の割合は、14.6%(62億ユーロ)にのぼり、約2万4,000社以上のSMEに行き渡っている。

4.P7を通じての成果
・ 2014年12月までに、FP7研究プロジェクト全体の48%が終了し、最終報告書の提出が終わった7,288件のプロジェクトによって、4万3,000件以上の出版物が発表された。これらの出版物の約半数は、高い影響力をもつ論文審査のある学術雑誌で発表されている。
・ 同じく、2014年12月までに、FP7のプロジェクト全体から、1,500件以上の特許出願が報告されている。

上記に加え、FP7に関する様々な統計データも収録されている。

[DW編集局]