[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州研究会議(ERC)
元記事公開日:
2015/05/29
抄訳記事公開日:
2015/06/25

欧州研究会議(ERC)と日本学術振興会(JSPS)が新協定を締結:日本の研究者のERC研究チームへ参加を促す

New agreement signed: Japanese researchers to join ERC teams in Europe

本文:

欧州研究会議(ERC)は、日本学術振興会(JSPS)と共同で、2015年5月29日に標題のプレスリリースを発表した。以下にその概要を紹介する。
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欧州におけるERC研究チームへの日本トップクラスの若手科学者の参加を促すために、本日、新しい協定が締結された。JSPS理事長の安西祐一郎教授と欧州委員会研究・イノベーション総局次長のBurtscher氏は、日本文部科学省文部科学審議官の土屋定之氏と欧州研究会議議長のBourguignon氏の同席のもと、協定に署名した。

この協定は、本日東京で開催された第23回日・EU定期首脳協議の直前に署名された。欧州理事会議長のTusk氏、欧州委員会委員長のJuncker氏、日本国総理大臣の安倍晋三氏は、研究及びイノベーションにおける戦略的パートナーシップを強化するための共同ビジョンを承認した。

このERC-JSPSイニシアチブは、JSPSの特別研究員制度の利用者を対象としたものであり、彼らは研究目的で欧州を訪問することが可能となり、一時的に、ERCが支給する助成金の受給者によって組織されるチームの一員となることができる。

JSPS理事長の安西祐一郎氏は、次のように述べた:「JSPSの最重要ミッションのひとつは、次世代の研究者を育成することです。そうするためには、日本の若手研究者に対して、国際的な環境において研究を行う機会を提供することが絶対に必要です。JSPSとERC間で開始されたこの新しいフレームワークは、若手研究者に対して、貴重な機会を提供します。私は、このイニシアチブの下で行われる国際共同研究は、日本と欧州の両方のアカデミック・コミュニティの利益になると考えています。」

<背景>
本日発表された共同イニシアチブは、2009年に署名された既存の日・EU科学技術協力協定の実施協定である。研究目的で欧州を訪問するJSPSの研究員は、JSPSからの研究奨励金を引き続き受給する。最初に行われた同様のイニシアチブとしては、米国国立科学財団(NSF)が2012年7月に署名した協定がある。その協定は、より短期間の欧州訪問時に、ERCにより助成された研究チームへ、NSFの研究員が参加する機会を提供する。その後、2013年11月に韓国研究財団と、また、2015年3月にアルゼンチン国家科学技術研究会議との間で同様の協定が締結された。

日本には、博士課程の学生と博士課程終了後の研究者を含む早期キャリアの研究者が、9万人以上いる。その内の約6,000人の若い研究者が、JSPSの特別研究員制度の助成を受けている。この数字は、全ての博士課程の学生と博士課程終了後の研究者の数の6.5%に相当し、JSPSの研究員が、最も優れた博士課程の学生と博士課程終了後の研究者であることを表している。JSPSの研究員は、特別研究員制度の利用期間中において、海外での研究を行うことを推奨されている。

[DW編集局]