[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
科技日報
元記事公開日:
2015/05/26
抄訳記事公開日:
2015/06/29

中国科学院、「百人計画」を見直し技術者の招聘も視野に

中科院启动率先行动“百人计划”

本文:

科技日報は5月26日付で、中国科学院(CAS)は、支援額を800万元まで大幅に上げつつ、修正版の「百人計画」等の人材計画を間もなく実施する予定だと報じた。本記事でその概要をまとめる。

CASは5月25日記者会見を行い、今後実施見込みの人材計画を発表した。この発表によると、CASは昨年に始動した「率先行動計画」*で設定した人材事業の目標に向けて、1994年から20年間に渡って実施した「百人計画」に対して、今までの若手を中心とした研究者の招聘から、分野リーダー人材(シニア研究者)、技術英才(テクニシャン)及び若手英才を招聘するように転換するとともに、支援額も従来の200万元/人から、最高800万元まで大幅に増加する。詳細は以下のとおりである。

・分野リーダー人材の招聘について、当該分野で世界トップレベルの研究者をターゲットにする。当該研究者の指導下でイノベーション創出のための国際的なチームを形成することを目指している。支援は800万元を限度とする。

・技術英才(テクニシャン)の招聘について、科学研究に不可欠である。例えば測定、標本作成等技能を要する作業に長けた研究支援者が不足していることを背景に、海外から優秀な技術者を招聘する必要が高まる。最大支援は260万元とする。

・若手英才の招聘について、CASのイノベーション創出へ活力を注ぐことを目指し、35才未満の優秀な研究者を海外から多く招聘する。最大支援は260万元とする。

但し、若手英才に関わる措置では、最初の2年間を育成期として科研費80万元を支援し、2年後に総合評価を踏まえた上で、優れた順に選んだ6割の者に、更に260万元を支援する。

今回の新「百人計画」によって国内機構間の人材争奪競争の激化を招くという懸念に対して、今年3月に北京大学の学長からCASの副院長に就任した王恩哥は、分野リーダーは、基本的に海外から招聘するとの考えを示した。

この他、新華通信社が伝えた本記者会見の報道によると、CASは2009年に「人材育成・誘致プログラム」を実施して以来の5年間に、ハイレベルな人材誘致は2,600余人(うち、海外から2,300人)、若手人材の養成は3,500人、科学研究支援の技術者誘致は200人、研究チーム形成は300近くに達した等、誇るべき実績を成し遂げた。

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[JST北京事務所]